AI導入による労働コスト削減で加速するデフレ経済。お金の不要な時代が近づいている

AI(人工知能)導入による労働コスト削減でデフレ経済は加速します。お金の不要な時代の到来が近づいているのです。

1990年代後半~2000年代のデフレ経済は若者のモラトリアム化が原因

かつて1990年代後半~2000年代に発生したデフレ経済は、20代前後の若者のモラトリアム化がその最大の要因でした。

特にファミリーレストランや牛丼屋、ハンバーガー店と言った飲食チェーン店などの労働集約的な外食産業や飲食産業を支えていたのは、低時給のフリーターの若者や大学生や高校生などのアルバイトの学生でした。

1990年代後半から2,000年代までの日本では20代の若者達が街に溢れ、また大学進学率が大きく上昇したことで、高卒後すぐに会社に就職するのではなく大学生もしくはフリーターというモラトリアムの期間を経るという生き方が、若者の一般的なライフスタイルとなっていました。

第36回 「なぜ大学進学率が50%を超えたのか?大学進学人口と大学数との関連 – 小樽大学 学報第376号(H22.8)掲載
http://www.otaru-uc.ac.jp/hkyomu1/fdhome/colum/fd-c36.htm

彼らの大半はフリーターとして親元で暮らす、または学生として親から仕送りを受けて生活している身分でしたので、経済的に自活し自分の生活を支えるだけの十分な賃金や給与には、それほどこだわりを持っていませんでした。

経済的に親から独立して自活していれば「時給800円の労働なんて、そんな低賃金では暮らしていけない」となるのですが、彼らは親からの経済的な援助を受けて衣食住事足りていましたので、飲食産業や外食産業では一般的な1,000円以下の低賃金でも十分に暮らして行くことが出来ました。

そして、若者の大半は趣味などの為のお小遣い稼ぎが出来ればいいという意識でしたので、低賃金にも文句も言うことなく働いていたのでした。

この結果、大学生バイトやフリーターなどの20代の若者の低時給の安価な労働力が、労働市場へと豊富に供給され続けることになったのです。

これが1990年代後半~2000年代のデフレ経済の最大の要因です。

現在は人手不足によって一時的に小休止しているデフレ化

しかし、この様に豊富にあった若者の安価な労働力によって支えられていた1990年代後半~2000年代のデフレ経済は、2010年代以降になると若者の減少と人手不足によって崩壊しつつあります。

以下は1968年から2017年までの新成人(20歳の若者人口)の推移です。

2017年の新成人は123万人・前年から2万人の増加…新成人人口の推移をグラフ化してみる – ガベージニュース
http://www.garbagenews.net/archives/2122978.html

新成人の人口推移を見ると、グラフ左側にある1970年が一番多い。これは第一次ベビーブーム世代が成人に達したのが原因。その後減少を続けているが、1980年以降再び増加に転じ、第二次ベビーブーム世代の人が成人に達する1995年前後にピークを見せる。その後減少傾向を再開し、今はそれが継続中の状態にある。

(中略)

なおグラフ上、1987年に大きなへこみが生じているのが目に留まる。これは昭和41年・丙午年生まれの人が成人した年。いわゆる「丙午信仰・迷信」により出産数が極端に少なかったことに起因するもの。

1990年代半ばには200万人以上もいた20歳の若者が、2017年現在ではその半数の100万人程度まで落ち込んでいます。

この若者人口の半減に比例して、労働市場におけるフリーターやアルバイト従事者の労働供給が大幅に減少し、需要と供給の市場原則によって、サービス産業の労働コストが急騰しているのです。

デフレ経済期に市場を席捲した飲食産業などの低価格チェーン店は、労働コストの高騰によってそのシステムを維持できなくなり、現在では急速に衰退しつつあります。

ラーメンチェーン幸楽苑 採算悪化で50店舗余 閉鎖へ – NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171110/k10011219461000.html

低価格のラーメンチェーン、「幸楽苑」を運営する会社は、人手不足で人件費が上昇し採算が悪化しているとして、全体のおよそ1割に当たる50店舗余りを今年度中に閉鎖することになりました。
発表によりますと、「幸楽苑ホールディングス」は、560のラーメン店のうち、およそ1割に当たる51店舗を来年3月までに閉鎖することを決めました。

これにより、北海道、福井県、滋賀県、京都府、岡山県からは撤退することになります。

幸楽苑は、デフレの中、低価格なラーメンの販売で店舗数を急速に拡大しましたが、人手不足を背景とした人件費の上昇や原材料価格の値上がりを受けて、一部の店舗で採算が悪化していることから、今回の閉鎖を決めたということです。

また、店舗の閉鎖に伴っておよそ5億円の特別損失を計上するため、今年度の最終損益が当初の黒字の予想から一転して6億7400万円の赤字になると発表しました。

幸楽苑は、ステーキ店の「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスと先日フランチャイズ契約を結んだばかりで、今後は首都圏や東北地方を中心に、単価が高く利益が見込めるステーキ店の出店を進めるなどして業績の改善を目指すことにしています。

AI導入による第二のデフレ経済の波が迫っている

しかし、このデフレ経済の衰退は、時代の過渡期の一時的な現象です。

なぜなら、AI(人工知能)の導入による第二のデフレ経済の波が目前に迫っているからです。

メンテナンス効率化でコスト削減、AIが製造業にもたらすインパクト – Forbes JAPAN
https://forbesjapan.com/articles/detail/17237

製造業において製品の生産、機器の保守、施設の管理などの業務を効率化する試みは、以前から行われてきた。しかし人工知能(AI)の参入によって現在、劇的な変化が起ころうとしている。

端的にいえば「事後保全」から「予防保全」、そして「予知保全」への進化だ。機械の異常やパフォーマンスの低下などのトラブルが発生する前に補修や交換を行うことができれば、メンテナンス業務を圧倒的に効率化できる。

■インダストリー4.0と「予知保全」

ドイツ政府が推進するプロジェクト「インダストリー4.0」は、その典型例だろう。「スマート・ファクトリー(考える工場)」をコンセプトに、生産工程のデジタル化、自動化、バーチャル化のレベルを大幅に高めることで、コストの極小化を目指している。

生産計画や在庫状況などの変化に合わせて、工場の生産ラインなどをリアルタイムでコントロールするという取り組みにおいて、機械の故障や異常を事前に予知して保全することは前提だ。

工場のあらゆる場所に設置されたセンサーが機械の異常やパフォーマンスの低下などを感知し、システムがこれに反応して自動的に修理するという。実現すれば人間が関与しなくても機械が製造パフォーマンスを最適化するため、人件費の削減にもつながるだろう。「高コスト国」といわれるドイツが政府主導で取り組んでいる理由がわかる。

(中略)

■生産ラインにAI予知が導入される未来

IoT末端となるエンドポイントに人工知能技術を実装する「e-AI」を注力技術のひとつと位置づけているルネサスエレクトロニクスは、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサにAIを搭載するソリューション開発に取り組んでいる。

今年4月には、AIによって良否判定や予知保全などを行う模擬生産ラインをプライベートイベントで展示。模擬生産ラインでは、小型のベルトコンベヤーに自動車の模型を流してレーザー距離計で模型の高さ方向の寸法を計測し、計測結果に基づいて良品と不良品を判定しており、その良否判定にe-AIを活用していた。

一方、安川電機は日本IBMと組み、「安川故障予測システム」を自動車工場向けに普及させることを目指している。同システムはロボットに内蔵しているセンサーなどを通じて、モーターの連続稼働時間や電流の波形、室温といったデータを収集し、クラウドや専用サーバーでどのような状態のときにロボットのモーターなどが壊れるのかを分析・学習するという。

生産設備が停止すると1分当たり数百万円の損失が発生するとされている自動車工場において、「予知保全」が果たす役割の大きさは想像に難くない。

生産ラインや設備の故障や異常を高精度に予測して、「予知保全」の実現を目指している製造業の最前線。その動きが加速化して製造業のコストが極小化すれば、消費者にも価格の低下という恩恵がもたらされるはずだ。

この様に第二次産業である製造業の分野において、AI導入よって劇的に生産コストが低下し商品の価格が低下していく未来が予測されますが、AI導入よって製造業以上にさらに大きな影響が予想されるのが、コストに占める人件費の割合の大きい第三次産業である飲食・宿泊などのサービス業です。

そして実際にサービス業でのAI導入は始まりつつあります。

フロントに恐竜ロボ、部屋にもAIコンシェルジュ「変なホテル」が舞浜に登場 – 朝日新聞デジタル&TRAVEL
http://www.asahi.com/and_travel/articles/SDI2017031512881.html

世界で初めて、「ロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネス世界記録に登録された、長崎県のハウステンボスにある「変なホテル」の2号館「変なホテル舞浜 東京ベイ」3月15日、千葉県浦安市で開業した。東京ディズニーリゾート近くという立地もあって、すでにファミリーやカップルに人気で、予約は好調という。

変なホテル舞浜では、恐竜ロボット2体がフロントに立ち、チェックインやチェックアウトを担当する。日本語、英語、中国語(簡体字)、韓国語に対応。ロボットからの音声ガイドに沿って音声認識やタッチパネルでチェックインを行う。リアルな恐竜ロボは手や首を細かく動かし、たまにくしゃみもする愛敬もある。

大型テーマパーク近くに立地することから、館内はアトラクション要素を強め、ロビーには実物大のティラノサウルスの模型を置いた。ビュフェスタイルのレストランも、洞窟のような内装が施されている。

客室は、スタンダードツイン(18.5平方メートル)、スタンダードトリプル(23.5~24.5平方メートル)など計100室。すべての客室には、初めて人工知能(AI)を搭載したコミュニケーションロボット「Tapia」を置き、宿泊客をもてなすコンシェルジュ役をまかせた。また、スマ-トフォンで360度のバーチャルリアリティ(VR)画像を楽しめるゴーグルも置いて、部屋でも恐竜の世界を楽しんでもらえるようにした。マットレスには新幹線の座席にも使われている素材を使って寝心地の良さを追求、家族連れのために、エキストラベッドを簡単に展開して4人で泊まれるよう工夫したという。同ホテルによると、4人で宿泊した際の料金は平均2万円。

スタッフ数は、この規模のホテルとしてはかなり少なめの7人。ロボットでは難しい緊急対応や、ベッドメイク、部屋のチェックは人間が担当する。

「変なホテル」は、H.I.S.ホテルホールディングスが運営している。15日午前に行われたオープニングセレモニーで挨拶した親会社のH.I.S.の澤田秀雄代表取締役会長兼社長は「変なホテルの『変』は、絶えず変化し、進化するという『変わる』の意味。世界一生産性の高いホテルを目指して始めた。この舞浜でさらに経験を積んでサービスやお客様の満足度を向上させ、ホテルの新しいビジネスタイプとして世界に展開したい」と意気込みを語っていた。

立地はJR舞浜駅から徒歩約18分。東京ベイシティバス「富士見五丁目」バス停のすぐそば。実際に舞浜駅から歩いてみると、大きな荷物を運びながら歩くのはちょっとつらく感じる距離だった。ただ、タクシーなら初乗り運賃プラス1メーターだ。

この様なサービス産業へのAI導入が今後さらに本格的に進むに従い、人件費の削減によって劇的にサービス提供コストが削減され、消費者へのサービス提供価格が大幅に低下していくことは必至です。

AI導入で0に近づく生産コスト。お金が不要な時代に

この様にAI導入によってありとあらゆるものの商品やサービスのコストが急激に下落し価格が0に近づいていきますので、近未来の社会はほとんどお金を使わずに生きて行ける世の中となっていきます。

ホリエモン「これからお金は不要になるよ!」 ロボットが発展した社会で人間の働き方はどう変わる – U-NOTE(ユーノート)
http://u-note.me/note/47504091

ロボットの発展によって働く必要がなくなるというのは、言い換えればお金も必要なものではなくなるということ。ホリエモンは、「今もどんどんお金がいらなくなってるでしょ」と話す。

例えば、昔は一人一人が農作業をして自分で食べ物を作らなければならなかったが、今では農家がそれを効率的に代行してくれる。それによってほとんどの人は、食べ物を作るための費用と時間を格段に節約できるようになった。

これと同じことがあらゆる場所で起こるのが、ロボットが進化した社会だとホリエモンは考える。生活に最低限必要なものをロボットが作り出してくれれば、たしかにお金がなくても生きていくことが可能だ。

最近では、ネットのコンテンツやシェアサービスの発展でエンタメや車など、昔は高額だと思われていたサービスの数々が安く利用できるようになった。ホリエモンがいう「お金のいらない世界」はその発展だと考えればイメージしやすいはず。

お金が不要な時代で人間はどの様に生きるのか

AIやロボットを働かせることで、ほとんどコストをかけずに商品やサービスを得ることが出来る。その結果、お金はほとんど必要なくなり、人はお金を得るという目的の為に働く必要がなくなる。

この様な時代が現実にまもなく到来しようとしています。

私たち日本人は、この様な毎日が夏休みと変わらない「一億総ニート時代」を一体どのように生きることになるでしょうか。

人工知能時代の人間の生き方は、古代ローマに学ぶべし – 現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51511

■人生は「暇つぶし」になるのか

人工知能とロボットが発達することで、これから30年かけて人類は徐々に仕事から解放されていくだろう。

日本にいるとピンと来ないかもしれないが、先日、アメリカに出張した際に目にした風景は、こうした未来が遠い未来ではないことを実感させられた。移動ではウーバーによる配車サービスを頻繁に使わせてもらったし、シリコンバレーでは2022年には自動操縦車がウーバーで配車されることがまるで織り込み済みの未来のように語られていた。

イラクとの戦争ではいまだに多くのアメリカ兵が犠牲になっているが、グーグルの関連会社ではロボット兵が実用間近なところまで到達している。先ごろダラスで起きた銃乱射事件では、ある軍事会社が開発したロボットが、犯人の立てこもる部屋に突入して自爆して事件を解決した。

アメリカはITの先端国家であり、ITとロボットの発展を軍事需要がけん引している。その様子を目の当たりにすると、日本人が想像する以上のペースで、アメリカの最先端技術は世界を変えていくのは間違いなさそうだ。

問題は、2045年頃に人型ロボットの完成形が登場し、多くの人間は働かなくてもよい世界が到来した時、人類がそうした社会に適応できるかということだ。

なにしろ、これまで何世紀もの間、多くの人は人生の大半を「職場」で過ごしている。ただ働くだけでなく、困難に直面しながらそれを克服し、日々、スキルを培い、成長することで達成感も味わってきた。そんな人類の生きる目的までもが、消失しかねないのだ。

その後の世界では芸術に人びとの関心が向くという説があるが、誰もが芸術的センスを持っているわけではない。仕事以外に趣味のない人にとって、あり余る時間はむしろ苦痛だ。

実は過去の歴史ではそのような問題に直面し、それを克服した社会があった。その社会とは古代ローマ帝国である。

「パックスロマーナ」と呼ばれたローマ帝国の最盛期、征服戦争も集結しローマ人たちはやることがない平坦な日々を迎えていた。征服の結果、たくさんの植民地から農産物や海産物、ワインやビールが届けられ、日々の労働は奴隷たちが担ってくれる。征服者であるローマ人は指導者や軍人を除いて、やることがない。ローマ皇帝が闘技場や大浴場などの娯楽施設を提供したのも、そうしないと市民からの不満が高まるから、という理由からだった。

ならば、市井の古代ローマ人たちの生活から、われわれの近未来を学ぶことができるのではないか。

仕事がなくなった人類は、おそらく5つの分野を追求しながら「充実した人生」を送ることを目指すと私は推測する。5つの領域についてロールモデルとなる現代人を提示しながら解説してみよう。

■そんな時代に必要とされる人

最初のロールモデルは、作家の立花隆さん。その生き方は学究人である。立花さんは「知の巨人」と呼ばれるが、学者ではない。ギリシャ時代のアルキメデスを筆頭に、古代の学者は戦争を通じて科学を発展させた。戦争がなくなったローマ時代の学者も、次第に学者ではなく学究人になった。過去の文献を読み、自分の関心ある事柄に思いをはせ、特定の分野について調査を尽くし、知の巨人となった。

人工知能の能力が人間を超えると、科学の分野の新発見で人間はAIにかなわなくなるだろう。数学、物理学、化学、薬学など先端領域では過去の論文の読みこみやビッグデータの処理、それらをベースにした論理思考など、いずれにおいても人工知能は人間を凌駕するようになる。ノーベル賞級の新たな発見は、すべてAIが成し遂げる日がくるかもしれない。

そのような時代だからこそ、学問を研究する学究人という生き方は逆に輝きをみせるようになるだろう。学者ではなく「自分にとって意味のある科学の成果を読みこなす」という読書家としての生き方の方が意味を持つようになる。立花隆さんのような知的好奇心が強い生き方が、人生を輝かせるのだ。

2番目は、冒頭にて否定的に述べた芸術家だ。ただしロールモデルは假屋崎省吾さん。ただの芸術家ではないところに注意していただきたい。ローマの町には多数の彫像やタペストリーがあふれていた。しかしこの時代、後の美術史に残るような芸術作品はほとんど生まれなかった。それらの作品の多くは奴隷たちが大量生産したため、この時代の芸術家は競争相手が多すぎて、存在意義を示すことはできなかったのである。

AIが登場した未来にも同じことが起きるだろう。既に最新のAIはレンブラントの手法を学んで、レンブラントのタッチに似た絵画を新たに生み出す性能を有している。絵画、彫刻、音楽などにおいて「開発」や「製造」という観点で新しいものを作り出せないとすると、芸術家の生き方は「ライブ」へと移行すると予想される。だから假屋崎省吾さんなのだ。

生け花の芸術としての寿命は絵画と比べておそろしく短い。だからこそその瞬間に活けられた花々の命は美しい。しかも彼の作品は、そこに至るライブ感そのものが芸術であり、假屋崎省吾さんの日常生活すら芸術として評価されている。近未来の人類がめざすべき人生のロールモデルの一番目は「消えていくライブ芸術」を追求する假屋崎省吾さんのような生き方なのだ。

3番目はアスリート系。日本人でいえばイチローのような生き方だ。人工知能とロボットがいくら進化しても、プロスポーツの主役は人間だろう。ロボット同士が戦うボクシングなど面白いとは思えないし、自動操縦車が競うF1レースも感動は生まない。人間という不完全な存在が限界領域でぶつかり合うからこそスポーツは美しいのだ。

古代オリンピック競技が興隆したギリシャ時代と違い、戦争が消えたローマ帝国の繁栄期の興行としての人気スポーツは奴隷階層の剣闘士たちの戦いだった。しかし重火器が発展した近代戦争以降、プロの軍人からはトップアスリートの要素は不要になっていく。スタローンやシュワルツネッガーのような兵士が戦争の結果を変える世界は、映画の中だけである。

そしてトップレベルのアスリートは、リスクのある軍隊を回避してプロスポーツの世界で戦うようになり、現代に至る。ロボットやAIが何でもできるようになる未来、プロスポーツには今以上に人類を超越するパフォーマンスが求められるようになるだろう。だから、この時代に必要とされるスポーツ選手はイチロークラスのパフォーマーに限られていくのである。

いまから自分の「モデル」を見つけておく

ここまでのロールモデルをみてみると「やはり、ごく一部の人類以外は生きがいを失いそうだね」と思うかもしれない。そこで以下には私も含めた一般人が目指せるロールモデルを紹介しよう。第4のモデル、それはタモリさんである。

タモリさんの本質は趣味人である。タモリさんの芸能人としての出発点はジャズだが、音楽全般について深い知識を有している。

タモリさんは海と船が好きで小型船舶の免許は一級を持っている。その趣味が嵩じて「タモリカップ」というヨットのレースも持っているほどだ。その他、地理に関するものでは鉄道、古地図、坂道、ダムといった具合で微妙に細かくて深いところにこだわりがあるし、料理、酒、ゴルフなど挙げていくときりがない。

しかも、これらの趣味には共通点がある。それはロボットや人工知能と何の関係もない、ということだ。つまり未来においても趣味として通用するものであり、その道の追求には人生が何年あっても時間が余ることはない。だからこそ、タモリさんの生き方はまさに未来人の垂涎の的となるのではないだろうか。

さて、最後のロールモデルとして取り上げたいのは、千原ジュニアさん、カテゴリーとし実は、近未来の人類の生き方として一番多くの人が真似るべきロールモデルであると筆者は思っている。

古代ローマ人は美食を楽しみワインやビールを楽しみ、友と語り合う生活を延々と繰り返したわけだが、そう考えると、毎日24時間が宴会という日々が続いたとしても、盛り上げ続けることができるトーク力をもった遊び人こそが、未来社会で最も求められる人材であることがわかる。

お笑い芸人はみな、場を盛り上げる能力をものすごく磨いているが、私が仕事の場を拝見させていただいた中では、千原ジュニアさんの「盛上げ力」はひときわ飛び抜けていた。なにしろ彼がスタジオで口を開いたとたん、その場が急に盛り上がり始めるのだ。

近未来、ローマ帝国化する社会において、人類が最も長い時間を過ごすことになるのは「宴会場」である。人生が80年として365日×80年=29,200日を退屈せずに盛り上げていく力。それこそが未来の人類が一番必要とする「生きる力」なのではないだろうか。

今の若者が私の年齢(55才)になる頃には、ロボットと人工知能があらゆる仕事を奪う未来がやってくる。その時代を生き抜くためには、芸術家、学究者、アスリート、趣味人、そして遊び人のいずれかの場所に自分の居場所を見つけておくことが準備として大切なことだと私は思うが、いかがだろうか?

以上、「AI導入による労働コスト削減で加速するデフレ経済。お金の不要な時代が近づいている」の記事でした。

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