新卒の若者が自動車メーカーに就職することへの警告。自動車業界は長期的には斜陽産業で将来性がない

理系の新卒学生には大人気の就職先である自動車メーカー・トヨタ自動車を筆頭に、現在の日本の花形産業である自動車業界。

しかし自動車業界は長期的には斜陽産業で将来性がないので、今後40年以上の長い人生とキャリアを歩む新卒の若者には決してお勧め出来る就職先ではありません。

現時点では自動車メーカーの正社員は勝ち組だが…

確かに現時点ではトヨタなどの大手自動車メーカーの正社員は勝ち組の中の勝ち組です。

日本が世界に誇る先端技術を有する業界大手のトヨタ自動車などは、給与や賃金の水準も高く在宅ワークの導入も積極的に進めているなど待遇や労働環境も日本企業としては圧倒的にホワイトですし、理系の技術者やエンジニアにとっては最高の職場であり就職先です。

理系の新卒学生の間でもトヨタ自動車は4位にランクインしています。

2018年卒 理系学生「就職人気」トップ100社ランキング – 東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/168990?page=2

4位はトヨタ自動車だった。昨年の22位からランクアップしている。文系ランキングでは85位とパッとしないものの、やはり理系学生には根強い人気がある。研究開発に熱心で、ハイブリッド車や燃料電池車の開発では、世界をリードしていることが評価されている。

さらに就職先人気ランキングトップ100社の中で、本田技研工業が47位、マツダが57位に食い込むなど自動車メーカーは理系学生の就職先として手堅い人気を得ています。

優れた技術を誇る「ものづくり大国日本」を牽引する製造業の花形と言える産業が自動車産業であり、大手自動車メーカーの正社員は多くの学生達にとって憧れの仕事であり職業です。

自動車産業は長期的には完全な斜陽産業で将来性がない

この様に世界に誇るトヨタ自動車を筆頭に就職先として人気を集める自動車メーカーですが、自動車産業は長期的には完全な斜陽産業で将来性がありません。

2018年現在から12年後の2030年において、自動車産業は破滅的な危機を迎えているという見通しが、国内外の有力コンサルティング会社やマーケティング専門家の間で広がっています。

2030年の自動車産業の危機と大変化をデロイトトーマツコンサルティングが予測。 – Biz/Zineプレス
https://bizzine.jp/article/detail/2035

■2030年に自動車市場は激減する

デロイトトーマツコンサルティングが発行した『モビリティー革命2030』(日経BP)では、「モビリティー革命」を引き起こすドライバーとして以下の3つをあげている。

  • パワートレーンの多様化
  • クルマの知能化・IoT化
  • シェアリングサービスの台頭

個々の要因の未来予測については、これまでも断片的に語られてきたが、「全体観として網羅的に提示したのは初めてと自負する」と本書の全体監修をおこなったデロイト トーマツ コンサルティングの佐瀬真人氏は語る。

この本で提示されている自動車産業の未来は、決して明るいものではない。将来的に製造業としての自動車産業の販売利益は激減する。次世代車への移行も決して利益を保証するものではなく、むしろ日本車の従来の競争力だった燃費などの性能面での優位性が消失し、2030年には台数の減少、低価格帯へのシフトによって、売上高は9%、営業利益は7%減少するという。

■自動車メーカーの営業利益の48%が吹き飛ぶ

デロイトが現在のガソリン車と電動車両の台あたり収益率をベースに試算した結果では、電動車両が新車販売の半数を占めた場合、「乗用車メーカーの営業利益の約48%が吹き飛ぶ」と見込んでいる。(『モビリティー革命2030』第5章より)

今後の自動車産業を考える時に、シェアリングサービスの影響を抜きにして考えられないだろう。タクシーのライドシェアとして急成長したUberや、空き家の貸し手と宿泊客をマッチングさせるAirbnbなどのビジネスのトレンドは「シェアリングエコノミー」と呼ばれ、この流れはとどまることを知らない。

デロイトの試算では、将来的に2台に1台のクルマがシェアされる可能性があるという。その影響によって、主要8地域の乗用車保有台数が最大で53%減少するというのだ。

こうしたシェアリングの波に対して、従来の自動車メーカーはどのような対応を考えているか。これまでの各社のコメントから見ると、欧米のメーカーがシェアリングに対して前向きな姿勢を示している後に対し、日本は非常に保守的なのだという。

この様に自動車産業の将来性について非常に悲観的で厳しい見通しを発表したデロイトトーマツコンサルティングの名前を聞いたことがない方もいるかもしれませんが、デロイトトーマツコンサルティングは訳の分からないインチキ会社などではなく、国際的な事業展開をする世界最高峰の有力コンサルティングです。

デロイトトーマツコンサルティング – Wikipedia

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(Deloitte Tohmatsu Consulting LLC 略称:DTC)は、世界最大規模の会計事務所であるデロイト・トウシュ・トーマツ(デロイト)の主要メンバー企業であり、世界150ヶ国、20万人のエキスパートが連携し、経営戦略、M&AやITアドバイサリーなど多岐にわたる専門サービスを提供するグローバル経営コンサルティング会社である。

この様な世界最高峰の有力コンサルティングも非常に厳しい見通しを持つほど、自動車産業や自動車業界の将来は決して楽で平坦なものではないのです。

「世界的大企業のトヨタに入れば将来安泰」などと安易に考えてトヨタ自動車などの自動車メーカーに入社した学生や若者は、おそらく15年後には地獄を見ることになるでしょう。

現在のトヨタ自動車は日本を代表する世界的な優良大企業ですが、長期的に時代の先を読めば、その将来は決して明るいものではないのです。

参考:2030年に壊滅が確実な自動車産業。トヨタが生き残るには「トヨタ介護機器」へと社名を変更するしかない

現在の勝ち組企業が将来の勝ち組ではないということ

若者が新卒での就職先を選択する際は、決して現在の勝ち組企業が将来の勝ち組ではないということは意識しなければなりません。

現在では日本の自動車業界を牽引するトヨタ自動車などは将来安泰の勝ち組企業であり憧れの就職先とされています。

しかし、それはあくまでも現在での勝ち組企業ということであり、20年後や30年後の将来もずっと永遠にトヨタが勝ち組企業であり続ける保証など全くどこにもありません。

以下の記事にも書いている様に、つい10年前にはシャープは理系学生の就職人気でトヨタ自動車を上回るスーパー勝ち組企業だったのです。

参考:今の安定企業は未来の安定企業ではない。就職先選定は時代の先を読むことが必要

この様にトヨタを上回る超優良企業と認識されていたシャープが、その後10年で一体どの様な体たらくになっているかは、理系の優秀な学生の皆さんなら日々のニュースなどで十分にご存知でしょう。

シャープは2011年度から年間数1,000億円の巨額の赤字を計上して深刻な経営破綻に陥り、合わせて6,000人以上の正社員を大量解雇した二回の大リストラと経費削減の挙句、結局地力での経営再建は不可能となり、香港の鴻海精密工業(ホンハイ)によって買収されました。

シャープ今年度3千人リストラ削減へ ソーラーと管理部門対象 -ジェイシーネット
http://n-seikei.jp/2016/05/post-37286.html

経営再建中のシャープが、国内従業員の約15%に当たる最大3000人規模の人員を削減する検討に入った。

不振の太陽光事業や本社の管理部門などが対象となる見通しで、今夏にも発表する再建計画に盛り込む。

シャープは、業績悪化に歯止めがかからず、固定費の削減が急務で、早ければ年度内にも実施する。シャープは、経営危機が表面化して以降、人件費を圧縮するため、2度の大規模なリストラに踏み切った。いずれも希望退職を募り、2012年度は約3000人、15年度には約3200人が退職した。

現在も業績は厳しさを増しており、16年3月期連結決算は、税引き後利益が3000億円規模の赤字となる見通しで、一時的に債務超過となる公算が大きい。

シャープについては、5月2日毎日新聞が、2016年3月期は約2500億円の赤字になり、一時的に債務超過に陥ると報道し、1日には朝日新聞が、本社を堺工場に移転、2千人あまりを削減すると報じていた。

このシャープの例から分かる様に、現在の業績と企業ブランドだけで企業の価値や将来性を判断して就職活動を行うと、10年後や20年後には地獄を見て後悔することになります。

就職活動をされる学生の皆さんは、新卒での就職先は現在のブランドや業績だけで安易に判断せずに、しっかりと将来予測をして決めて下さい。

これからの激動と大変革の時代を生き抜くマインドについては以下の記事でも書いています。新卒を控えた学生や20代の若者の方は、こちらも是非お読み下さい。

参考:今の世間で見下されている存在が10年後の未来では羨望と憧れの対象となり得る

以上、「新卒の若者が自動車メーカーに就職することへの警告。自動車業界は長期的には斜陽産業で将来性がない」の記事でした。

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