2022カタールワールドカップでサッカー日本代表アジア予選敗退の可能性

2022年11月21日~12月18日にカタールで開催される予定の22回目のW杯「2022 FIFAワールドカップ」。

中東地域は夏の暑さが厳しく選手の体に与える負担が大きいこと、そして中東地域は冬季でも温暖な気候でありサッカーの試合の開催に支障がないことから、W杯カタール大会は通常の夏開催とは異なり11月・12月開催という変則的な開催時期となることが発表されました。

そのカタールW杯の予選組合せ抽選が2019年7月に行われ、日本代表は本大会出場をかけて2019年9月からのアジア2次予選に臨みます。

この記事ではカタールワールドカップ出場を目指すサッカー日本代表のアジア予選敗退の可能性について予想しています。



2022カタールW杯アジア予選の日程

サッカー日本代表が挑む2022カタールW杯アジア予選の日程は以下の通り。

  • 2019年9月~2020年6月:W杯アジア2次予選
  • 2020年7月~8月:2020東京五輪サッカー
  • 2020年9月~2022年9月:W杯アジア最終予選
  • 2022年10月:W杯アジア予選プレーオフ
  • 2022年11月:W杯予選大陸間プレーオフ

2019年の秋から2020年の初夏にかけてアジア2次予選が開催され、2020年の秋から2022年の秋にかけてアジア最終予選が開催されます。

アジア2次予選とアジア最終予選の間に、サッカーU-23日本代表が開催国として臨む東京オリンピックがあり、森保監督が五輪代表監督とA代表監督を兼任して戦います。

カタール大会は2022年11月~12月と通常の夏開催のW杯とは全く異なる日程であるため、アジア最終予選も開催年度の秋まで行われるイレギュラーなスケジュールであり、地域予選プレーオフなどは本大会のほぼ直前に開催されます。

1998年のフランス大会・2022年の日韓大会(開催国)・2006年のドイツ大会・2010年の南アフリカ大会・2014年のブラジル大会・2018年のロシア大会と6大会連続でワールドカップ本大会に出場し続けてきた日本代表ですが、カタール大会では今までに経験したことのなかった長丁場の日程の大陸予選を体験することになります。

2022カタールW杯の出場枠は32ヶ国もしくは48ヶ国

この様に本大会の開催時期も予選の日程もイレギュラーな2022カタールW杯ですが、出場国枠についても2026年のワールドカップ(カナダ・メキシコ・アメリカの3カ国で共同開催)から前倒しで48ヶ国に増枠することが検討されており、2019年6月にフランス・パリで開催されるFIFA総会で32ヶ国から48ヶ国へのW杯出場枠拡大が正式決定される可能性があります。

以下の記事にあるように仮に出場枠が48枠化すると、本大会のグループリーグは4チームではなく3チームの総当たり(3ヶ国中2ヶ国がGL突破)に、決勝トーナメントは4回戦制から5回戦制になり、またアジア予選も含め各大陸予選の出場国枠が拡大されいます。

この様に日程の面でも出場国枠の面でもカタールW杯は今までのワールドカップとは全く異なる非常にイレギュラーな未知の大会となる見通しです。

サッカー日本代表のアジア予選敗退の可能性は高い

ここから本題に入りますが、結論から言えば私は森保ジャパン・サッカー日本代表のカタールW杯アジア予選敗退の可能性は高いと悲観的な予想をしています。

1994年アメリカ大会予選をドーハの悲劇(最終戦イラク戦での終了間際の失点)によって敗退して以降、アジアのサッカー強豪国として1998年のフランス大会・2022年の日韓大会(開催国)・2006年のドイツ大会・2010年の南アフリカ大会・2014年のブラジル大会・2018年のロシア大会と6大会連続でワールドカップ本大会に出場し続けてきた日本代表。

しかし、カタール大会では7大会ぶりに本大会への連続出場が途絶えてしまうのではないか?というのが私の危惧です。

サッカー日本代表のアジア予選敗退を予想する理由

ではなぜアジアのサッカー強豪国である日本がカタールW杯のアジア予選で敗退してしまうと悲観的な予想をしているのか?

その3つの理由を挙げて詳しく説明して行きます。

理由1:アジアの弱小中堅国のサッカーレベルの底上げ

日本代表がカタールW杯のアジア予選で敗退すると予想する1つめの理由は、アジアの弱小中堅国のサッカーレベルの底上げです。

2000年代半ば以降、アジアの三強であった東アジアの日本・韓国・オセアニアの豪州が停滞もしくは弱体化している一方で、かつては勝ち点3が確実に計算出来たアジアの弱小中堅国が急速に底上げされている。

というのが近年のアジアの勢力図です。

特に2019年にUAE(アラブ首長国連邦)で開催されたアジア杯でも対戦して日本を苦しめたベトナム代表(PKによる決勝点での1-0と日本の際どい勝利)を筆頭に、かつては弱小国であった東南アジア諸国が飛躍的にレベルアップしており、今や勝ち点3を確実に計算出来るカモではなくなっています。

2000年代の感覚で言えばベトナム・タイ・マレーシアなどの東南アジア勢は確実に勝ち点3を奪える相手であり、ジーコジャパンがアジア1次予選でシンガポールや中東の新興国オマーンと対戦した際は、両国を相手にホームとアウェイで勝利したにもかかわらず代表サポーターによる「ジーコ監督解任デモ」に発展するなど批判と怒号の嵐となりました。

  • 2004年2月18日 W杯アジア1次予選
    ホーム オマーン戦 1-0(埼玉スタジアム2002)試合詳細
  • 2004年3月31日 W杯アジア1次予選
    アウェイ シンガポール戦 2-1(シンガポール・ジャランベサル)試合詳細
  • 2004年10月13日 W杯アジア1次予選
    アウェイ オマーン戦 1-0(オマーン・スルタン・カブース・スタジアム)試合詳細
  • 2004年11月17日 W杯アジア1次予選
    ホーム シンガポール戦 1-0(埼玉スタジアム2002)試合詳細

当時は日本代表が東南アジア勢に勝ち点を取りこぼす結果は絶対にあり得ないことで、2点差3点差以上での快勝がノルマとして求められていたのです。

しかし、現在では日本代表が東南アジア勢との試合で引き分け以下に終わることは、当たり前に起こり得る事態となっており、予選敗退の危険度は大きく上昇しています。

理由2:日本人選手の世界の中での相対的なレベル低下

日本代表がカタールW杯のアジア予選で敗退すると予想する2つめの理由は、日本人選手の世界の中での相対的なレベル低下です。

日本代表が非開催国のW杯でGL突破に成功した2010年の南アフリカ大会、2018年のロシア大会では、スペイン・イングランド・イタリア・ドイツ・フランスの欧州5大リーグで活躍する選手もしくは5大リーグで実績のある選手が代表の主軸でした。

南アフリカ大会では、RCDマヨルカのリーガ1部残留において救世主的な活躍をした大久保嘉人、そしてリーグアンのル・マンなどで月間MVP受賞・リーグ年間アシスト数3位などの実績を残した松井大輔、さらにヴォルフスブルクでレギュラー格としてブンデスリーガ優勝に貢献した長谷部誠がチームの中軸となり、岡田ジャパンをGL突破に導きました。

さらに西野ジャパンがGL突破したロシア大会においても

  • ブンデスリーガでの実績豊富な長谷部誠
  • ドルトムントでの全盛期にはブンデスリーガで準MVP級の活躍をした香川真司
  • セリエAの強豪クラブACミランでもプレイしていた本田圭佑
  • 強豪インテル・ミラノに所属していた長友佑都
  • レスター・シティFCのプレミアリーグ初優勝にレギュラーとして貢献した岡崎慎司
  • リーガエスパニョーラのSDエイバルでレギュラー格として活躍する乾貴士
  • ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンでレギュラー格の原口元気
  • ブンデスリーガのFCケルンで準レギュラー級だった大迫勇也
  • プレミアリーグのサウサンプトンFCで準レギュラー級の吉田麻也
  • リーグアンの強豪マルセイユでレギュラー格の酒井宏樹

などのメンバーがおり、戦力としては欧州5大リーグ級の実力を持った選手が揃っていました。

しかし、現在の日本代表では30代半ばの長谷部は代表引退、本田・香川・長友・岡崎・吉田・乾などの北京五輪世代の主力選手達も30歳以上のベテランの年齢となり体力が衰えはじめ、世代交代の波が押し寄せています。

では、下の世代に彼らの代わりとなる選手がいるかと言えば、期待される「三銃士」も堂安律はオランダのエールディヴィジ所属、南野拓実はオーストリアリーグ所属、中島翔哉はアジアのカタールリーグ所属と、欧州5大リーグからは大きく格落ちする中堅リーグに所属する選手達であり、カタール大会で主力となる20代半ば以下の年齢で世界のトップレベルにおいてレギュラー級として活躍する中堅選手・若手選手は皆無という状況です。

このように海外組選手の比較においても明らかな通り、現実として世界の中での相対的な日本人選手のレベルは大きく下がっているのです。

理由3:不安要素である森保監督の国際経験不足

そして最後に、日本代表がカタールW杯のアジア予選で敗退すると予想する3つめの理由は、アジア予選における最大の不安要素である森保監督の国際経験不足です。

森保監督はサンフレッチェ広島において6年間で3度のリーグ優勝を達成するなど、国内のJリーグにおいては素晴らしい実績を誇る日本人監督です。

卓越した戦術バランス感覚と受け継いだチームを的確にアレンジする調整能力に加え、リーダーシップや選手からの人望など人間性の面でも監督としての資質が非常に高く、まさに「名将に成り得る器」を持った素晴らしい人材と言えます。

しかし、一方で国際経験・日本国外の大会での実績に乏しいことが森保監督の不安要素です。

森保監督には灼熱の中東アウェイや熱帯地獄の東南アジアでの実績がない

サンフレッチェ広島時代のACL(AFCチャンピオンズリーグ)では参加した3回中2回がグループリーグ敗退。トーナメント初戦敗退のベスト16が最高成績。

国内開催であるCWC(FIFAクラブワールドカップ)では2015年大会で3位に入った実績があるものの、気候的にも環境的にも過酷なアジアのアウェイ戦を勝ち抜いた実績がありません。

2019年1月のカタール・アジア杯では中東アウェイの環境で準優勝という合格点以上の結果を残しましたが、アジア杯は中東では気候的にも比較的涼しい冬季に開催された大会であり、灼熱の中東アウェイや熱帯地獄の東南アジアで勝ち抜いた実績はないのです。

当然ながらW杯アジア予選においては、灼熱の中東アウェイや熱帯地獄の東南アジアでの試合を多く強いられ、その中で最低でも引き分け以上の結果を残すことを求められます。

岡田監督と西野監督にはタフな気候・環境を勝ち抜いた実績があった

南アフリカ大会で日本代表を率いた岡田武監督は、熱帯気候であるマレーシアのジョホールバルでのイランとの死闘などを経て日本代表をフランスW杯出場に導いた実績がありました。

また、ロシア大会で日本を率いた西野朗監督も、アトランタ五輪予選で灼熱の中東アウェイ戦で強豪サウジアラビアを破っての出場権獲得、中東シリアのアル・カラーマにアウェイ戦で勝利して勝ち上がってのACL優勝(2008年大会)の実績がありました。

岡田武監督も西野朗監督も、気候面などで非常にタフな環境での国際試合でも結果を残して来た実績と経験があった訳です。

このアジアのアウェイ戦での経験と実績において、森保一監督には日本代表監督として不安があることは否めません。

国際経験のないザッケローニ監督もW杯アジア予選のアウェイ戦で大苦戦

森保監督と同様に国際経験や自国外(イタリア以外)での監督実績がなく日本代表監督に就任したのはザッケローニ監督でしたが、ザックジャパンはアジア予選のアウェイ戦では成績面で非常に苦戦することになりました。

以下は2014年ブラジルW杯アジア予選の成績・勝敗などの情報です。

ザック監督率いる日本代表は3次予選から参加し

  • 3次予選グループC:6試合 3勝1分2敗 勝点10
  • 4次予選グループB:8試合 5勝2分1敗 勝点17

と、本田・岡崎・長友・香川・内田篤人など当時キャリアの全盛期にあった北京五輪世代の海外組選手達のタレント力を武器にまずまずの成績でした。

しかし、このザックジャパンは中東などの灼熱のアウェイ戦では極端に苦戦しています。

以下はザックジャパンのアジア予選からアウェイ戦だけを抽出した成績です。

  • 3次予選グループC:3試合 1勝1分1敗 勝点4
  • 4次予選グループB:4試合 2勝1分1敗 勝点7

勝ち点の上ではそれほど悪くない成績に思えますが、3次予選グループでのアウェイの1勝はFIFAランキング100位台の弱小国タジキスタン代表からの1勝のみ。

4次予選(最終予選)グループでのアウェイの2勝は、2試合ともオマーン代表とイラク代表相手に岡崎慎司が試合終了間際の残り1分に決勝点を決めたギリギリの薄氷の勝利です。(厳密にはアウェイ・イラク戦の会場は政治的な理由で中立地のカタール・ドーハに変更)

2012年11月14日 アウェイ イラク戦 岡崎の決勝ゴール(89分)

2013年6月11日 アウェイ オマーン戦 岡崎の決勝ゴール(89分)

試合内容・試合展開的にはどちらの試合も引き分けに終わり、ザックジャパンは「最終予選アウェイ0勝」の成績で終わっていても全く不思議の無い試合だったということです。

当時の岡崎はブンデスリーガの1.FSVマインツ05で2季連続リーグ戦2桁得点(2013-14シーズンに15得点・2014-15シーズンに12得点)を達成しストライカーとしての絶頂期に差し掛かる直前の時期であり、そんな準世界トップレベル級の岡崎の得点センスによって際どく勝ち点3を手繰り寄せた試合でした。

国際実績に乏しい森保監督はアウェイ戦でザック以上に苦戦必至

そしてまたザック監督以上に国際実績に乏しい森保監督は、アジア予選のアウェイ戦でザック監督以上に苦戦することが必至です。

現在の森保ジャパンには、ザックジャパンの様なアジア内では圧倒的な海外組の選手層、全盛期の岡崎の様な欧州トップレベルの得点センスを持ったストライカーは存在しません。

また、ベトナムなどの東南アジア勢が急速に力を付けているため、特に極めて高温多湿でコンディショニングの困難なアウェイ戦では、この様なかつては格下だった対戦国との試合でも勝ち点を取りこぼす可能性が非常に高いでしょう。

中東開催のアジア杯の実績がアジア予選では参考にならない理由

確かにザックジャパンは2011年のアジア杯カタール大会で優勝、森保ジャパンも同様に2019年のアジア杯UAE大会で準優勝という結果を残しました。

しかし、どちらの中東開催のアジア杯も、灼熱の中東にしては比較的気候の涼しい1月の冬季に開催された大会であり、本当の灼熱の中東アウェイを勝ち抜いた訳ではありません。

またこの様な大会形式のトーナメントは、長期間現地に滞在して暑熱対策や環境適応を行えますので、尻上がりに調子を上げる様なコンディション調整が比較的容易です。

一方でホーム&アウェイ形式で戦うアジア予選は、大会形式のアジア杯とは異なり一発勝負の繰り返しです。

クラブの試合日程の合間を縫って各地を1試合1試合転戦する形で予選のスケジュールは進みますので、アジア杯よりも試合毎の暑熱対策・環境適応時間が取れず、コンディション調整は遙かに困難です。

中東開催のアジア杯の実績はアジア予選では全く参考にならないのです。

代表サッカーから現実逃避してJリーグを楽しみましょう

この様にアジア予選敗退の危機の暗雲と不安が立ち込める日本代表ですが、代表サッカーから現実逃避してJリーグを楽しみましょう。

私自身もジーコ信者の鹿島ファンなので、しばらくはジーコTD(テクニカルディレクター)と契約更新した鹿島アントラーズを応援して気を紛らわします。

みなさんも一緒に鹿島を応援して現実逃避してはいかがでしょうか?



以上、「2022カタールワールドカップでサッカー日本代表アジア予選敗退の可能性」の記事でした。

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