ホテル関連の仕事は正社員でも一部の一流高級ホテル以外は想像以上の薄給激務です

私自身もかつて客室数業界第〇位の某大手ホテルグループに正社員として就職し、ホテルのフロントで働いていましたが、ホテル関連の仕事や職業は、帝国ホテルなどの名の知れた一部の一流高級ホテル以外は、想像以上の薄給激務です。

参考:ホテルのフロント勤務で辛かったこと大変だったこと。元フロントマンの体験談

フロントなどのホテルの仕事は、業務的にも一般の方が想像している以上に過酷な激務ですし、その給与もまた想像を超える薄給です。

ビジネスホテルなどの大半の一般的なホテルのフロントマンは、主任などの役職持ちの正社員であっても、時給換算ではフリーターやアルバイトの非正規雇用よりも給与が低い。それが近年のホテル業界の実態です。

ただ、役職持ちの正社員のフロントマンですと一応ボーナスも支給されますのでその分、フリーターの時給よりは若干マシというレベルです。

デフレによって客単価が暴落し厳しい収益性のホテル業界

ホテル業界もまた、1990年代後半~2000年代前半からのデフレ経済によって宿泊客の客単価が暴落して以降、非常に厳しい収益性が続いている業界です。

インターネット経由での格安予約サービスの普及で、ビジネスホテルでは素泊まりで一泊3,000円台、バイキング方式の朝食付きで一泊4,000円台などの宿泊単価が当たり前の様になりました。

お客様の立場からすれば、この様な価格競争は、安くホテルに泊まれるということで非常に素晴らしいことですが、反面ホテルの経営者やホテルの従業員の立場からすると、昨今のこの激しい価格競争は非常に厳しいものがあります。

お客様から支払われる宿泊料からフロントなどのホテルの従業員、部屋のルームクリーニングの清掃員などの給与が払われますが、素泊まり3,000円台という低価格では、従業員に十分な給与を与えることが難しく、結果、多くのホテルでは従業員たちは薄給での労働を余儀なくされています。

確かに帝国ホテルなどの一部のブランド化した一流高級ホテルであれば、差別化によって価格競争に巻き込まれず経営を行うことが可能であり、フロントなどに勤める従業員にもそれなりの金額の給与を支払うことが可能です。

しかし、この日本の大半のビジネスホテルは他のホテルと差別化することが出来ず、そのサービスや施設などもどこも似たり寄ったりですので、結果的に価格競争に巻き込まれ、低価格の料金でのサービスを余儀なくされる。その結果、ホテルの従業員たちは正社員であってもフリーター以下の低賃金での労働を余儀なくされることになります。

フロントマンの不規則な勤務時間の過酷な長時間労働

ホテルの従業員が行う仕事の中でも、特にホテルのフロントで働くフロントマンたちの労働状況は過酷を極めています。

ホテルのフロントというと、しっかりした仕事であるとか華やかな仕事であるとかいうイメージがあるかと思いますが、それは一部の一流ホテルだけの話です。

この日本で大半を占める庶民的な価格帯のビジネスホテルでは、ホテルのフロントの労働状況は薄給激務での地獄の修羅場と化しています。

特に夜勤のフロントマンの場合、夕方から翌日の昼まで泊まり込みで連続20時間勤務などの不規則な勤務時間での異常な長時間労働も当たり前ですので、若くして健康に変調をきたしたり身体を壊して辞めていく社員が後を絶ちません。

私自身もホテルのフロントの不規則な勤務時間で身体に変調をきたし、入社から3年目で勤めていたホテルを辞めることになりました。

参考:【体験談】不規則な夜勤生活をしていた私の身体に起こった異変。寝ても寝ても疲れが取れない

また、ホテルのフロントマンというと「ただフロントに立っているだけの楽な仕事」というイメージがあると思いますが(私も実際に入社する前はそう思っていました)、実際は一般的な庶民的な価格帯のビジネスホテルでは、専門のボーイなどもいないためフロントで請け負っている細々とした雑務の仕事もかなり多く非常に慌ただしく働いています。

バックヤードでは予約や客室の管理など絶対にミスの許されない非常に神経を擦り減らす事務作業も多くあり、20時間の長時間の夜勤などを終えた後は、生きる力を全て使い果たしたくらいにクタクタに疲れ果てます。

これが一見華やかなイメージの職業であるホテルのフロントの労働現場の現実なのです。

職場の上司から教えられたフロントマンの驚きの低賃金

私は大学新卒でフロントマンとしてホテルに入社しましたが、フロントの現場は勤続10年程度の主任の社員が取り仕切っていました。

世間でも長らく不況が続いているということもあり、そして私自身はまだ新人ということもあり、初めて支払われた給与については「新入社員はこのくらいの金額が普通なのかな?」という感じでした。

一般的な日本の会社では、新入社員の給与は低く、勤続年数が長くなるにつれ、そして役職や肩書きを得て管理職になるにつれて、給与が上がって行きます。

ですので、勤続10年程度で管理職の上司は、それなりの給与を貰っているものと当然の様に考えていました。上で書きましたように、一般的なホテルのフロントの仕事は労働時間が非常に長く、月間300時間以上も働きますので、平均的なサラリーマンの給与水準であればそれなりの給与になるはずです。

しかし、上司から給与を聞かされた私は衝撃を受けます。

「手取りで10万円台」それがフロント勤務の上司である勤続10年の主任の月給でした。

ホテルのフロントは月間300時間程度は働く仕事。それも決して楽ではない激務の仕事です。それで給与は手取りで10万円台。ギリギリ20万円には届かないくらいの金額です。

それも入社2~3年目とかの若手ではありません。勤続10年の中堅からベテランに差しかったキャリアの中間管理職の正社員で、手取りが20万円に至らないのです。

しかも、私が務めたホテルは決して潰れかけの小さなホテルではありません。客室数も300室程度の大型のホテルで、しかも業界上位の規模の大手ホテルグループです。それでもこの程度の低賃金の給与水準であるのがホテル業界の現実なのです。

管理職となるとボーナスでは多少の金額は付くようで、年収の総額の額面は300万円台中盤にはなるようですが、しかし月間300時間という長時間の労働時間を考えると、それでも決して十分な金額ではありません。

時給換算ですと1時間で1,000円程度の計算になり、最低賃金で働くフリーターよりは若干マシ程度ということになります。

これが、私の勤めていたビジネスホテルでの勤続10年の主任の給与の実態でした。

もちろん、この上司が無能であったとか能力的に劣っていたとか言うことではありません。他の30歳程度で勤続8年の上司の給与もこの上司とほぼ同じ程度でした。

ホテルの仕事はおすすめできない特にビジネスホテルは

私自身の経験から言っても、ホテル関連の仕事、特に庶民的な安い宿泊料のビジネスホテルへの就職はおすすめできません。

もちろん、給与や待遇や労働時間だけでなく、仕事としてのやりがいや憧れなどで職種や会社を選ぶ方もいるかと思います。ホテルのフロントマンの業務はホテルの最前線でお客様と接する仕事ですので、お客様から「頑張って」「ありがとう」と声を掛けられることも多く、確かに精神的なやりがいは得られる仕事です。

しかしそうであったとしても、余りにも給与が低く労働環境が悪ければ、その仕事を続けることは現実的に非常に難しいです。

自分の気持ちはホテルの仕事を続けたくとも、長時間の激務で身体を壊して働き続けられなくなってしまったり、給与が少なく子供の教育費も足りなくなる。結局はその様な理由でいつか職場や業界を離れることを余儀なくされます。

もしもあなたが夢や憧れでホテル業界に就職しようと考えているのなら、一度冷静になり現実的な思考で今後のキャリアを考えてみることも必要かもしれません。

これまで色々とホテル業界の厳しさを語って来ましたが、どうしてもホテル業界で働きたいというのであれば、ビジネスホテルではなく高級ホテルかリゾートホテルを選ぶことを強くおすすめします。

参考:ビジネスホテルへの就職はおすすめ出来ない。ホテルで働くなら高級ホテルかリゾートホテルを選ぶべき

以上、「ホテル関連の仕事は正社員でも一部の一流高級ホテル以外は想像以上の薄給激務です」の記事でした。

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