ホテルのフロントは女性におすすめ出来る仕事や職場ではない。元フロントマンの経験談

ホテルのフロントというと「華やかな仕事」などのイメージで憧れを持っている女性の方なども多いのではないでしょうか。

2015年7月7日から9月22日の毎週火曜日には、TBS系で西内まりや主演の『ホテルコンシェルジュ』が22:00-22:54のゴールデン・プライムタイムの時間帯に放送されたことの影響などで、もしかするとホテルのフロントという仕事に若い女性などが憧れる風潮が高まっているかもしれません。

火曜ドラマ『ホテルコンシェルジュ』|TBSテレビ
http://www.tbs.co.jp/hotel_2015/

しかし、以下の記事にある様に私は元ホテルのフロントマンとして働いていましたが、ホテルのフロント、特にこの日本のホテルの大部分を占める一般的なシティホテルやビジネスホテルのフロントは、女性には余りおすすめ出来る仕事や職場ではありません。

参考:ホテルのフロント勤務で辛かったこと大変だったこと。元フロントマンの体験談

なぜホテルのフロントは女性におすすめ出来る仕事や職場ではないのかその理由を説明していきたいと思います。

フロント業務は女性の方がソツなくミスも少なく得意

ホテルのフロント業務は接客業ですが、確かに接客業は女性の方が男性よりもソツなくお客様に対応出来、より得意な傾向が高いです。

私の勤めていた職場でも、概ね女性でフロント勤務をされているの方がお客様からの接客評価やポイントカードの勧誘の達成率などが高く、男性のフロントよりも優秀でした。

また、ホテルのフロントは接客業という側面の他にも、電話やインターネットから予約を受け付けて部屋のアサイン状況(予約状況)を適切に管理するなど、手早く正確な事務作業が求められる事務職的な面も非常に大きいのですが、女性のフロント勤務の方はミスが少く、この点でも男性のフロントマンよりも優秀な傾向がありました。

もちろん中には事務作業でミスの多い女性フロントの方もいましたし、女性であっても中には接客などが苦手だという方もいますが、私の経験から言っても、概ねホテルフロントとしての仕事や業務を遂行することの適性は、男性よりも女性の方がより高いと感じました。

この様に単純に業務を遂行する能力が高いかどうかという点では、ホテルのフロントは完全に女性向きの仕事だと言えます。

しかし、この様に業務自体の得意不得意の面から言えば女性向けであるホテルのフロントの仕事ですが、正直に言って、女性におすすめ出来る仕事ではありません。

フロント業務の女性はヒールで10時間も立ちっぱなし

まずホテルのフロント勤務が女性におすすめ出来ない最大の理由として言えるのが、ホテルのフロント業務はずっと立ちっぱなしの仕事だということです。

立ちっぱなしの仕事ということ自体は男女平等であり、男も女も有利不利や違いはありませんが、最大の問題は、革靴を履いている男性とは違って、女性の場合はずっとヒールの靴を履いて仕事をしなければならいということです。

ホテルのフロント勤務は来客数の多い混雑時には2~3時間の残業なども当たり前であり、平均10時間程度と勤務時間や労働時間が長い仕事です。途中で1時間程度の休止時間はありますが、それ以外はずっと座ることなく立ちっぱなしで業務を行っています。

10時間もずっと立ちっぱなしという状況は、男性でも辛いと感じる方がいますが、足元への負担の大きいヒールの靴を履かなければならない女性にとっては地獄の状況です。

私の勤めていたホテルの若い女性フロントも、お客様から見えないところでいつも顔をしかめながらふくらはぎをマッサージしていました。

女性であってもヒール靴を履かない様に出来ればこの問題はだいぶ改善するのではないかと思いますが、ホテルのフロントはお客様の前に立つ接客業ですので、現実的にはこの問題の解決は難しいと思います。

ヒールを履いて10時間ずっと立ちっぱなしでも我慢して耐えることの出来る根性のある女性以外には、ホテルのフロントの仕事はおすすめ出来ません。

フロント業務の夜勤もある不規則で非健康的な勤務形態

帝国ホテルなどの一部のブランド化した高級ホテルは例外ですが、この日本で大半を占める一般的なシティホテルやビジネスホテルは近年はどこも価格競争に巻き込まれて客室単価が下がり、経営的に非常に厳しい状態に置かれています。

フロントの職場でも細かい注意点が沢山作られるほどに経費削減ということが求められますし、また、経営的に厳しい状況であるために、フロントの社員や客室清掃などの従業員に対しても決して十分な給与を支給することは出来ません。

参考:ホテル関連の仕事は正社員でも一部の一流高級ホテル以外は想像以上の薄給激務です

ただでさえ現在の日本の労働市場は人手不足という状況で、さらにその上多くのホテルのフロントは給与も低く離職率も高いということで、ホテル業界では男性のフロントマンの成り手がなかなか集まらない状況が慢性化しています。

この様な状況で、本来は安全性などの面から男性が担うべき夜勤についても、女性フロント社員の労働力に頼らざるを得ないというのが、多くのホテルの現状です。

ホテルの夜勤は夕方のチェックイン開始から翌日午前中のチェックアウト完了まで日を跨いで続く非常に長時間の勤務形態であり、最低で18時間、長い場合は20時間ほどの連続勤務が求められます。

複数人のフロントでの夜勤であれば途中で交代で仮眠を取ることは可能ですが、その時間はせいぜい2~3時間程度と非常に短いです。身だしなみを整える時間などを考えますと、決して十分な睡眠をとれるほどの仮眠時間は与えられません。

私自身もこの不規則な勤務形態のために完全に体調に異変をきたし、体を壊して3年でホテルフロントの仕事を辞めることになりました。

以下の記事ではホテルの夜勤で体を壊して辞めた体験談を書いていますので、ホテルの仕事に興味のある方はフロント勤務の実態を知るために是非こちらもお読み下さい。

参考:【体験談】不規則な夜勤生活をしていた私の身体に起こった異変。寝ても寝ても疲れが取れない

また、どこのホテルも人手不足で人員の確保が難しい状態ですので、フロント従業員の人員不足から女性であっても1人夜勤を迫られるホテルもあり、その様なホテルでは休むことなく徹夜で一晩中ずっと一人でフロントで応対を続けなければなりません。

この様なまともに睡眠も取れない勤務形態は身体に与える悪影響も非常に大きく、女性のフロント勤務の方には、肌荒れなどが悩みという方も多くいました。

私自身は男ですが、フロント勤務を続けていた頃は、原因不明の湿疹など肌のトラブル(男なので見た目は女性ほどは気にしませんが、湿疹による猛烈な肌の痒みがあり)に非常に苦しまされました。

この様に特に肌荒れなどに敏感な女性の方には、ホテルのフロントは非常に好ましくない職場環境だと言えます。

女性のフロント勤務は安全性の面で危険や心配が大きい

さらにホテルのフロント勤務が女性におすすめ出来ない理由として言えるのが、女性のフロント勤務は安全性の面で危険や心配が大きいということが言えます。

2016年8月23日に俳優の高畑裕太が前橋市内のホテルで40代の女性フロント従業員に暴行を加えて逮捕されるという事件がありました。

高畑裕太「暴行事件」被害者女性が明かしたあの夜の全真相 – 現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50023

状況がはっきりとしない部分もあり、このブログで事実関係について言及することは避けますが、ホテルのフロント勤務が女性にとって非常に危険な仕事であるということは事実です。

まず第一に、常にホテルの前面に出て直接的に多くのお客様に対応する仕事であることが、その理由として言えます。

毎日非常に多くのお客様に対応していれば、その中で少し変なお客様や少し頭のおかしなお客様、時にはストーカー的なお客様に対応するリスクや可能性は避けられません。またホテルは宿泊施設であるということもあり、非常に酔っぱらったお客様などにも多く対応しなければなりません。

参考:【ホテル勤務あるある】私が勤めていたホテルに来た色々なお客さん(詐欺師・ヤクザ・ホモ)

その様な場合に、上手く話をかわして適切にリスクを避けられれば良いのですが、どうやっても不可抗力的な事態が起こり得る可能性は否定できません。特に女性にとっては、ホテルのフロント勤務は非常に危険な側面のある仕事であるというのは確かなのです。

また、女性がホテルのフロントで働くことの危険性として言えることは、夜勤があるということです。

現在は大半のシティホテルやビジネスホテルは人手不足で人員の確保が難しい状態ですので、フロント従業員の人員不足から女性であっても1人夜勤を迫られるホテルもあり、その様なホテルでは休むことなく一晩中ずっと一人でフロントで応対を続けなければなりません。

その様に皆が寝静まった深夜で現場にたった一人だけしかいない中で、ホテルに宿泊されるお客様やホテルに来館される不特定多数のお客様に対応しなければいけない。客観的に考えて、これは女性にとっては非常に危険な状況です。

もちろんホテルの側でも監視カメラを設置するとか、交番への通報ボタンを設置するなどの対応は行っておりますが、それで全ての危険やリスクを完全に潰すことが出来るかというと、現実的には難しい状況です。

女性のフロント勤務は安全性の面で危険や心配が大きいということは、ある程度覚悟して頂く必要があります。

憧れやイメージだけでなくリスクや問題も認識すること

近年はドラマなどの影響でホテルのフロント業務に対して「華やかな仕事」などのイメージで憧れを持っている女性の方なども増えて来ているかもしれません。

しかし、女性の方でホテルのフロントの仕事に憧れている方、ホテルのフロント勤務を志望されている方には、女性のフロント勤務には以上の様に様々なデメリットや問題が伴うこと、また安全性の面で危険や心配が大きいということは、しっかりと認識しておいて頂きたいと思います。

ただ、どうしてもホテルのフロントで働きたいというのであれば、一般的なビジネスホテルではなく高級ホテルかリゾートホテルを強くおすすめします。

なぜなら高給ホテルやリゾートホテルは庶民的な宿泊価格帯のビジネスホテルと宿泊単価が高いですので、その分の売上や収益を従業員の人件費に回すことが可能だからです。

ビジネスホテルでは人件費削減のために最小限のギリギリの人数で現場を回しているため、女性の一人フロント夜勤など安全性の面で危険な事態が発生する可能性が高いですが、高給ホテルやリゾートホテルであれば、十分な人件費を掛けてフロントの人員を揃えることが出来ますので、女性の一人夜勤などはまずあり得ません。

ですので、ホテルフロントの仕事をしたい女性の方は、ビジネスホテルは避けて必ず高級ホテルかリゾートホテルの求人に応募してください。

参考:ビジネスホテルへの就職はおすすめ出来ない。ホテルで働くなら高級ホテルかリゾートホテルを選ぶべき

表面的なイメージや憧れなどでホテルで働きたいという女性も多いと思いますが、ホテル業界は非常に厳しい業界です。

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以上、「ホテルのフロントは女性におすすめ出来る仕事や職場ではない。元フロントマンの経験談」の記事でした。

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