生活保護の財源不足の日本。老後破産問題は自助努力や貯金で解決不可能

生活保護・年金などの社会保障制度の財源も完全に不足しているのが、莫大な財政赤字を抱える今の日本の国家財政の現実であり、老後破産問題は自己責任論に基づく自助努力や貯金ではもはや解決不可能な国家存続をも脅かす危機となっています。

この様に国家の財政が破綻し、また今後さらに多くの貧困老人が生み出されていく中で、老後破産問題は自己責任論や自助努力で解決出来る範疇を超えた深刻な社会問題となっており、個人の対策として貯金や資産運用をしたとしても全く対応不可の状況となっているのです。

生活保護・年金の財源も不足。国家財政が破綻する日本で社会保障制度には期待できない

十分な老後資産を持たない経済的弱者に対するセーフティーネットである生活保護・年金などの国家の社会保障制度。

しかし、深刻な高齢化と保健医療の膨張によって国家財政が破綻確実な日本ではその財源を確保することが難しく、弱者の生活を保護するための有効な施策を行うことは現実的に非常に困難です。

この様な厳しい財政状況から、2017年12月に発表された生活保護費の改定でも生活保護の支給額は大幅に削減されるなど、経済的弱者に対するセーフティーネットは今後さらに心もとないもとなる見通しは確定的です。

生活保護のうち食費などの生活費にあたる「生活扶助」が、来年度の見直しで受給世帯の約7割で減る見通しになった。厚生労働省が22日発表した。都市部の単身世帯や多子世帯で減額幅が大きく、地方を中心に増額になる世帯もある。見直しは2018~20年の毎年10月に段階的に行う。扶助費は最終的に年間160億円(1・8%)減る。

そしてさらに高齢化と財源不足のために年金の支給額は減らされ続け、また年金支給開始年齢の先送りによって年金制度という制度自体が無形化していく…

これは日本の人口分布予測や財政収支などから見ても避け得ない未来です。

この様に年金制度が実質無形化していく中で、生活していくだけの資産も貯蓄も持たない貧困老人は一体どうなるのか?

巨額の財政赤字が天文学的に増加し続ける日本では、大量に発生するであろう彼ら貧困老人の最後の命の綱である生活保護の財源の確保もおそらくは不可能です。

2019年5月22日に金融庁がまとめた「高齢社会における資産形成・管理」に関する報告書の内容も、資産形成や貯蓄などによる国民の自助努力に頼らざるを得ない状況を訴えるものであり、日本の社会保障制度は実質的に機能不全となりつつあることは明白です。

人生100年時代に向け、長い老後を暮らせる蓄えにあたる「資産寿命」をどう延ばすか。この問題について、金融庁が22日、初の指針案をまとめた。働き盛りの現役期、定年退職前後、高齢期の三つの時期ごとに、資産寿命の延ばし方の心構えを指摘。政府が年金など公助の限界を認め、国民の「自助」を呼びかける内容になっている。

平均寿命が延びる一方、少子化や非正規雇用の増加で、政府は年金支給額の維持が難しくなり、会社は退職金額を維持することが難しい。老後の生活費について、「かつてのモデルは成り立たなくなってきている」と報告書案は指摘。国民には自助を呼びかけ、金融機関に対しても、国民のニーズに合うような金融サービス提供を求めている。

老後破産問題に対して貯金や資産運用という自助努力は完全に無意味!

しかし、この老後破産問題という社会問題の本当の深刻さを現実的に認識できるようにはっきりと言えば、

老後破産問題が本格化すれば、貯金・資産運用という自助努力は完全に無意味!

ということです。

自分だけが上手く貯蓄や資産運用を行い、1億円以上の金融資産や貯金を築こうが、未来の日本を覆う深刻な社会問題である老後破産問題の破滅からは、決して逃れることが出来ないのです。

なぜ老後破産問題が深刻化すると十分な貯蓄や資産があっても破滅から逃れることが出来ないのか?

それは老後破産問題の深刻化は国家レベルの社会問題であり、日常的な市民生活の安全を脅かす深刻な社会不安と治安問題を生むからです。

老後破産問題が深刻化すれば社会不安と治安悪化により日本はまともに住めない国になる

「自己責任」の大義名分の下に老後破産問題という社会問題が深刻化したまま放置され、街が大量のホームレス老人や浮浪者で溢れた時には一体どの様な事態が起こるのか?

生存の危機に追い詰められ死に物狂いとなった彼らは、生きる為に店舗を襲撃したり富裕層の住居に押し入り金品を奪うなど、窃盗や強盗などの犯罪に走る。

これは火を見るより明らかなことです。

老後破産問題が深刻化し、食うに困った貧困層老人による窃盗や強盗などの犯罪が頻発するようになった時、たとえ自分だけがどれだけ資産や金を持っていようが、日本という国自体が危険でまともに暮らせない国となってしまっているのです。

貧困老人による凶悪犯罪が発生しはじめている日本

そして日本では老後破産問題により、貧困老人による凶悪犯罪が発生し始めています。

ここ最近に発生した貧困老人による強盗などの凶悪犯罪のニュースを紹介していきます。

横浜市神奈川区の商店街で女性が刺され、重傷を負った事件で、神奈川県警は12日、強盗殺人未遂容疑で同区西大口、無職、近江良兼容疑者(71)を逮捕した。

逮捕容疑は11日午前3時半ごろ、神奈川区大口通の路上で、金品を奪う目的で会社員弘瀬亜結さん(34)の背中を刃物で刺すなどして殺害しようとしたとしている。

大阪市平野区のドラッグストアで4日、男性店長がひもで手足を縛られて現金約48万円が奪われた事件で、大阪府警捜査1課は15日、強盗と逮捕監禁の疑いで、同区加美正覚寺、送迎バス運転手、牟田口(むたぐち)悟容疑者(68)を逮捕した。容疑を認めている。

逮捕容疑は4日未明、同区平野南のドラッグストア「ウエルシア平野南店」に押し入り、50代の男性店長に包丁を突きつけ「金を出せ」と脅迫。金庫内の現金48万3000円などを奪い、店長の両手足をひもで縛ったとしている。店長にけがはなかった。

7日午前2時10分ごろ、日田市友田のコンビニ「ポプラ日田友田店」に男が押し入り、店内に1人でいた女性店員(54)にスタンガンを突き付けて「金を出せ」と脅した。レジにあった現金約9万円を奪い、車で逃走した。

通報を受けた日田署が捜索。午後5時すぎ、市内の駐車場で特徴の似た車を見つけた。近くにいた男に事情を聴いたところ、関与を認めたため、強盗の疑いで逮捕した。

男は同市夜明、新聞配達員森山登容疑者(70)。逮捕容疑は店員を脅して現金を奪った疑い。捜査関係者によると、「お金に困っていた」という趣旨の供述をしている。

この様にここ最近のニュースでも日本の各地で貧困老人による強盗などの金品目当ての凶悪犯罪が報道されており、老人の貧困問題により社会不安が高まっている状況が伺えます。

この様な貧困老人による金品目当ての犯罪の増加傾向は国の統計データでもはっきりと表れており、以下の法務省の資料の様に、高齢者の犯罪は日本において深刻な社会問題となりつつあります。

■高齢犯罪者の増加の現況

近年、高齢犯罪者の増加が著しい。一般刑法犯の認知件数は、戦後を通じて見ればなお相当高い水準にあってその動向は予断を許さないものの、平成14年をピークに減少に転じている。

ところが、一般刑法犯の年齢層別検挙人員は、成人の各年齢層について見ると、横ばいないし増加傾向にあり、高齢者層の増加傾向は特に著しい。

警察、検察、矯正及び更生保護という各手続・処遇段階(以下「各手続段階」という。)における人員中の高齢者数の推移を男女別に見ると、各手続段階における高齢者の人員は男女ともに増加している。特に、一般刑法犯検挙人員では,高齢の女子の検挙人員は男子の半数近くいる。

しかも、これらの高齢犯罪者の増加の勢いは、高齢者人口の増加の勢いをはるかに上回っている。

この様に近年増加傾向にある市民の安全を脅かす貧困層高齢者の犯罪行為については、以下の講談社・現代ビジネスのコラム記事で具体的な事例を交えて取り上げられていますので是非お読みください。

高齢者による犯罪」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。

経済的に追い詰められた末の万引き、長年の介護による疲れからの殺人など、〝やむにやまれぬ〟事情から犯罪に及んだと思いがちだ。だが、こうした例は高齢者犯罪の一側面でしかない。実は、驚くほどに身勝手な理由や思い込みから、凶悪犯罪に手を染める高齢者や、自身の不遇を憂いて他者を巻き込み暴発する高齢者たちがいるのだ。

私はそんな高齢の凶悪犯罪者たちを『アウト老(「アウトロー」と読む)』と勝手に命名し、彼らの裁判員裁判を傍聴してきた。アウト老たちはその犯行もド派手なものが多いが、法廷での言動も自由奔放なのだ。傍聴してきた感触から、すでに還暦近くでアウト老化するものたちもいる。『暴走老人・犯罪劇場』(洋泉社新書)に収めた事例の中から、アウト老たちの実態を紹介したい。

アウト老と命名された貧困老人による凶悪犯罪は身近に起こり得る危険となっており、もはや全く他人事ではないのです。

以下の書籍でも貧困老人による犯罪について詳しく解説されています。興味があればこちらも購入してお読みください。



高齢犯罪者はここ20年で4倍に膨らみ5万人に迫っている。犯罪全体が減少する中、高齢者人口の増加もあり、高止まりしている。

高齢者はなぜ暴走するのか。裁判傍聴マニアの著者によれば、カネの問題や不寛容さがひきがねになっているという。

事件の背景は他の年齢層と大きく変わらないが、厄介なのは老化により、粘着質になり、怒りに自制が利かなくなっていることだ。

本書ではいくつもの事例を取り上げているが、誰もが慎重なようで大胆、緻密なようでずさんだ。長靴を底上げして背丈を高く装う半面、血まみれで犯行現場に戻るなどはその最たる例だろう。

「まさかこんな高齢者が凶悪犯罪を」というニュースを時々耳にするが、「また老人か」となる日は、すぐそこまで来ているのかもしれない。

資産の乏しい氷河期世代が高齢化することで老後破綻問題は極致に達する

この様に日本における貧困老人による高齢犯罪者問題について説明してきましたが、現在の日本の状況はまだまだ序の口です。

団塊世代など現在の日本で70歳前後の高齢者を形成している世代は、所有資産などの面で相対的に非常に豊かな勝ち組であり、経済的には比較的恵まれている世代です。

世代毎の家計金融資産の保有率(2014年4月15日朝のTV東京モーニングサテライト)

上の日本の「家計金融資産の保有率」のグラフでも、70歳以上の資産保有率が29%、60代が34%、50代が21%となっており、50代以上の老人や中高年が日本の金融資産の8割以上を占有しています。

現在の高齢者は日本の中では非常に経済的に恵まれた世代であり、そのために老後破産問題や貧困老人問題などもまだ深刻な社会不安となるまでは悪化していないのです。

そして、老後破産問題や貧困老人問題の本当の恐ろしさが表出してくるのはこれからです。

経済的に負け組だらけのアラフォー氷河期世代が老人になる20~30年後の未来、日本は大量の貧困老人の溢れかえる修羅の国となります。

8月25日に放送された『田村淳の訊きたい放題!』(TOKYO MX系)に、第一生命経済研究所経済調査部の首席エコノミスト・永濱利廣氏が出演。今も昔も割を食い続けるアラフォー氷河期世代の現状と「2040年問題」について語った。

永濱氏は「実際にデータを見ても明らかに影響が出ていて、世代別の賃金の上昇率を見ると全体では上がっている。でも、30代後半から40代前半のところだけ下がっている」とアラフォー世代だけ給料が下がっていると指摘する。

番組では、将来、団塊ジュニア世代・ロスジェネ世代が65歳以上になり日本の高齢者の人口がピークになる「2040年問題」についても触れていた。

2040年には、社会保障給付費(年金や医療費など)は現在の1.6倍まで膨れ上がり、単身世帯の高齢者の数も増加。2035年には高齢者の3割が生活困窮世帯になると予想されており、早急な対策が求められている。

このままの世界線では、2040年代以降の日本は、氷河期世代の大量の「アウト老」貧困老人達が北斗の拳のモヒカン達の様に「ヒャッハー」と店舗や住居を襲って金品を奪い、安全な市民生活を送る基盤である治安は壊滅状態となってしまうのです。

格差社会への不満から富裕層が殺戮されまともに住める国ではなくなった南アフリカ

ここまで説明して来ても、老後破産問題という社会問題の深刻さや、将来氷河期世代が高齢化することによって大量に発生するであろう貧困老人がもたらす危機の恐ろしさが、まだはっきりと理解できない方もいるかもしれません。

氷河期世代の大量の「アウト老」貧困老人達が跋扈する未来の恐ろしさを、具体的にありありと想像できるように示していきます。

ずばり、このままの世界線を進めば、日本の未来は南アフリカという国の現在です。

かつて南アフリカ共和国という国は、世界有数のダイヤモンド産地として栄えアフリカ大陸の中では非常に豊かな国でした。

しかし、広大な土地や資産を持つ白人と貧しい黒人との貧富の差が非常に激しく、その貧富の差を原因とした貧しい黒人による豊かな白人に対する襲撃が1万件以上も大量に発生し、現在の南アフリカは白人がまともに住めない危険な国となってしまったのです。

南アフリカはいまも白人農場主が全農地の7割以上を保有し、黒人農家のあいだに不満がくすぶっていた。一方、南アフリカ農業組合によると、1994~2008年のあいだに農場主や農場作業員の殺害が1541件、襲撃にいたっては1万151件も発生している。白人農場主たちは自警組織をつくり、仲間内で武装し、農場や白人コミュニティを守ろうとしているのだ(高田具成『サンダルで歩いたアフリカ大陸』岩波書店)。

この南アフリカの現在が、このまま「自己責任論」を振りかざし、一部の富裕層が「自分だけ助かればいい」と自己の利益と蓄財だけに走り、氷河期世代などの貧困層を軽視し続けた末に訪れる日本の未来です。

このままでは社会不安の高まりと共に日本の治安は崩壊し、南アフリカと同様に多くの富裕層が貧困アウトロー老人達に襲撃され、大量に殺されることになるでしょう。

日本のヨハネスブルグとなる絶望の巨大都市・東京

南アフリカと同様に将来的に深刻な社会不安に包まれつつ日本。

その日本の中でも特に将来的に危険なスラム街となる可能性が高いのが、貧困層が急激に増加している絶望の巨大都市・東京です。

人口が増加し続けているにも関わらずGDPが3年連続マイナス成長となっている東京の衝撃的な貧困問題と、その破滅的な未来については、以下の記事で様々な政府の統計データを元に予測していますので、是非お読みください。

経済格差によって治安崩壊した南アフリカにおいても、755万人の巨大な都市圏を抱える首都ヨハネスブルグが最も危険なエリアとなっており、これと同様のことが日本の東京で起ころうとしているのです。

ヨハネスブルグの治安のヤバさについてはすでに有名なコピペ(参照:ヨハネスブルグとは – ニコニコ大百科)などで広く知られる所でありご存じと思いますが、あれこそが日本がこのままの世界線を進んだ時の東京の未来の姿なのです。

日本の破滅を回避する為には「自己責任論」や「利己主義」からの脱却が必要

この様に国の社会保障にも頼れない貧困アウトロー老人達が「ヒャッハー」と市民を襲撃する修羅の国と化す絶望的な日本の未来を回避するためには一体どうすれば良いのか?

それは私達日本の国民ひとりひとりが「自己責任論」や「利己主義」から脱却することです。

氷河期世代の低賃金非正規社員や貧困層などに対して「負け組になったのは自己責任だ!」「努力不足のお前らが悪い!」という態度を続ける限り、日本は社会不安増大と破滅の未来を避けることが出来ません。

現在の日本はまさに芥川龍之介の書いた「蜘蛛の糸」と同じ状況です。

日本人がこのまま「自分だけが儲ければいい」「自分が救われるためにたくさん貯金を貯め込めばいい」という意識でいる限り、勝ち組富裕層も含めて日本という国全体が真っ逆さまに地獄に落ちます。

「自己責任論」と「利己主義」の果てに日本が行きつく先は、貧困黒人が白人を襲撃して大量に殺害する現在の南アフリカ、もしくはリアル北斗の拳の修羅の国です。

社会不安が増大し日本自体がまともに住めない国となってしまえば、どれだけお金や貯蓄があろうがどうしようもありません。

南アフリカ在住の白人の様に日々襲撃の恐怖に怯えながら暮らす未来では、豊かな老後どころかまともに安心して暮らすことすら出来なくなってしまうのです。

富裕層が生き残るには日本から海外移住して暮らす他ないでしょう。

しかし、長年住み慣れた日本を離れ、日本語も通じない海外の慣れない土地で過ごすことはストレスフルなことです。

何だかんだ言って現在の日本はまだ世界でもトップクラスに平和で治安が良く清潔な住みやすい国です。

植え付けられた「自己責任論」と「利己主義」を破棄して、余剰資産を投げ打って貧困層や社会的弱者を救うための社会投資を行うこと。

それによって社会不安を抑えて日本の平和・治安・清潔さ・住みやすさを守っていくこと。

求められているのは自分の儲けや資産を増やすための投資ではなく「社会投資」です。

それこそが富裕層も貧困層も含めて日本人全体の将来の利益と幸福につながるのです。

では、私たちが具体的にどのような社会投資を行うべきかの方策は以下の記事に書いています。是非こちらもお読みください。

以上、「生活保護の財源不足の日本。老後破産問題は自助努力や貯金で解決不可能」の記事でした。

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