化物語OP曲の恋愛サーキュレーションはアニソンを超えた神曲

2009年放送のテレビアニメ「化物語」のオープニング曲「恋愛サーキュレーション」はアニソンを超えた名曲であり神曲です。

「恋愛サーキュレーション」は公開から10年後の2019年現在もTikTok(ティックトック)でブームとなるなど全く古びることなく未だ衰えない評価を得ています。

ニコニコ動画でも以下の様な動画がアップされていますので、現在から10年以上昔の作品と思えない名曲の楽曲クオリティーをお聴きください。

恋愛サーキュレーションを生んだアニメ「化物語」とは

「化物語」は西尾維新によるファンタジー小説を原作とするテレビアニメで途中配信日程の遅れなどがありながら2009年7月から2010年6月26日まで放送されました。

『化物語』(バケモノガタリ)は、西尾維新によるファンタジー小説。〈物語〉シリーズ第1弾(通巻1、2巻目)として講談社BOX(講談社)から刊行された。イラストはVOFANが担当している。2009年にテレビアニメ化、2012年には『化物語 ポータブル』としてゲーム化、2018年に漫画化された。

■概要

『化物語』は21世紀初頭で日本の田舎町を舞台に高校生の阿良々木暦が「怪異(かいい)」に関わった少女達と出会い、その怪異にまつわる事件を解決していく物語。作者の西尾は「とにかく馬鹿な掛け合いに満ちた楽しげな小説を書きたかった」と語っており、ギャグやパロディ、メタ視点を交えた登場人物同士の会話に多くのページが割かれているのが特徴。

このアニメ「化物語」はその異質な魅力と独特の世界観から人気が爆発し、テレビアニメのBlu-ray売上新記録を作る2000年代終盤の大ヒットアニメとなりました。

2009年9月に発売されたBlu-ray Disc版の第1巻「ひたぎクラブ」は3週連続でオリコンチャート1位を獲得。

同年10月に発売された第2巻「まよいマイマイ」完全生産限定版は初動で3万9000枚を売り上げ、Blu-ray Disc版テレビアニメの初動売上記録1位を達成、同年11月に発売された第3巻「するがモンキー」完全生産限定版は、初動で4万1000枚を売り上げ、テレビアニメのBlu-ray Discとしては初めての4万枚突破作品となった。

さらに2010年1月に発売された第4巻「なでこスネイク」で初動4万8000枚を売り上げて記録を更新、同年7月に発売された第6巻「つばさキャット (下)」では5万1000枚と、テレビアニメのBlu-ray Discとしては初めて5万枚を突破した。Blu-ray Discのみのシリーズ累計売上枚数は、2010年11月時点で33万枚以上を記録している。


化物語 Blu-ray Disc Box

恋愛サーキュレーションは内気な女の子の恋心を描いた曲

そしてこのアニメ「化物語」の第10話のオープニング曲として使用されたラップ曲が「恋愛サーキュレーション」です。

恋愛サーキュレーションはアニメ「化物語」10話のOPに使用された曲である。

千石撫子のイメージソングとも言うべき内容で、歌っているのは撫子役の花澤香菜。可愛らしいOP映像と合わさった際の破壊力は甚大であり、多くのお兄ちゃんファンを生み出す事になった。

見る者に強烈なインパクトを与える冒頭の「せーのっ♪」は作曲者の神前暁のアイディアである。

当初、フルバージョンのCDは市販されず、化物語のDVDもしくはBlu-ray4巻の完全限定生産版のおまけでしか手に入らなかった。

しかし、『化物語音楽全集』にて、この曲が収録されることが決まり、ようやく市販のCDで聴く事ができるようになった。

2019年度から何故かNHKの育児番組『すくすく子育て』のEDテーマとなった。NHKの育児番組で唐突にアニソンの名曲が、しかも恋愛の曲が流れてきたため、驚いた視聴者も多かった。確かに歌詞を子供のことを思っている親目線で見られないこともないが…。

この「恋愛サーキュレーション」は化物語の登場人物である千石撫子(声優:花澤香菜)のイメージソングであり、非常に内気で大人しい無口なロリ少女の千石撫子が年上の主人公・阿良々木暦(あららぎこよみ)を「暦お兄ちゃん」と密かに慕い恋心を抱く内面世界を表したフワフワとしたラップ調の曲調と歌詞の曲となっています。

彼女は同作品の主人公、阿良々木暦の妹、阿良々木月火の友人である。あだ名は「せんちゃん」。非常に内気で人見知りが激しく、無口な女の子。

人と目を合わすのが苦手で、常に前髪か、深く被った帽子で目を隠している。大の勉強嫌いで、宿題は提出しないのがデフォ。もちろん成績もあまりよろしくない。

結構な笑い上戸。神原と阿良々木の会話(ギャグ?)とかでよく笑っていた。

阿良々木暦を「暦お兄ちゃん」と呼ぶ。正直たまりません。

なぜか80年代のアニメやゲームに詳しく、阿良々木君が突っ込みに説明をつけなければいけないほどのマニアックなネタを振ってくる。レトロゲームマニアで、多くのレトロゲーム機を所持している。

ちなみに恋愛サーキュレーションの「サーキュレーション(circulation)」とは以下の様に循環・伝達媒体などの意味となっています。

1.循環。流通。
2.広告を伝える媒体の流布の度合。新聞・雑誌の発行部数やラジオ・テレビの普及率・視聴率など。

この「サーキュレーション」と「恋愛」が結びついた曲名タイトルの意味については以下の様に、「他者性の欠落した千石撫子が自己内で現実逃避的な片思いの空想ロマンスを繰り返すだけの自己撞着的・自己満足的な恋愛観を象徴している」と考察されたブログもあります。

恋愛サーキュレーションの歌詞と主旋律コードの考察

ラップ&セリフパートを含めた「恋愛サーキュレーション」の歌詞は以下をご覧ください。

そしてこの千石撫子(せんごくなでこ)の気持ちを歌った恋愛サーキュレーションの歌詞には

「し」抜きで いや死ぬ気で!

というパートがありますが、以下の考察サイトにある様に「恋愛サーキュレーション」の主旋律のコードは「シ」の音がすっぽり抜けた様に使われていません。

巷で噂の恋愛サーキュレーションに

「し」抜きで いや死ぬ気で!

という歌詞があるんですが、これが何をさしているのかというのをちょっと前に考察したので書いておこうと思います。

「し」抜き とはドレミファソラシドの「シ」が無いことをさしているんじゃないかなーと推測しています。

以下検証。

まず、恋愛サーキュレーションの主旋律を適当にシーケンサに打ち込んでみました。

Eメジャーです。

続いて、シが無いのを判りやすくするためにCメジャーに移調してみます。

Cメジャーは、ドレミファソラシド(つまり全ての白鍵盤)で構成されますが
見て判るとおり、シがありませんよ。

というお話だったのさ。

ちなみに、ニコニコで『「なでしこ」から「し」を抜くと「なでこ」になる』説も見かけましたが、両方考えて歌詞書いたんじゃないかなーという気がしています。

この様に恋愛サーキュレーションは細かいギミックにも凝って精巧に作り込まれたイメージソングであり、化物語を第一弾とするアニメ「物語シーズ」の楽曲の中でも一番の人気曲となっています。


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フワフワとした可愛らしい曲調と裏腹のどす黒い怖さ

この様に精巧に作り込まれた楽曲である恋愛サーキュレーションですが、その本質的な魅力はフワフワとした可愛らしい曲調と裏腹のどす黒い怖さにあります。

いきなりのネタバレになりますが、以下の記事にある様に恋愛サーキュレーションの歌詞の一人称である千石撫子は物語におけるラスボスであり黒幕的存在です。

歌詞もメロディも映像も表面的には全て可愛らしい世界観でありながら、その伏線として千石撫子はラスボスであり物語の黒幕として周囲を騙し操っている存在です。

内気でか弱いイメージは周囲を欺く狡猾な処世術であり、実際は手練手管を尽くしてヘビの様に狙った獲物を追い詰めていく。

その様な「怖い女」の曲が恋愛サーキュレーションであるわけです。

実際に物語シリーズで恋愛サーキュレーションと対を為す千石撫子の裏のイメージソングである「もうそう・えくすぷれす」は千石撫子のどす黒い怖さが全面に押し出された演出であり、恋愛サーキュレーションの世界観に内在する狂気を暗示しています。

ここら辺の「ラスボス撫子」と恋愛サーキュレーションの歌詞の意味については、以下のブログ記事で非常に丁寧に興味深い考察されている通りです。

あなたが名前を呼ぶだけで
あなたが笑っているだけで
あなたを見上げるだけで
あなたを想っているだけで
幸せになれる
・・・ってどうなんだろうなぁ
というのが最初の疑問。

すごく可愛らしい片想いとも読めるけど
(というかそう読むのが順当だけど)
想いが一方的というか
相手とコミュニケーション取ることを考えていない
という風にも読めませんか。

多分この歌詞で言ってる「進化するよ」っていうのは
こういうことだと思うんです。

・あなたが名前を呼ぶだけで
・あなたが笑っているだけで
・あなたを見上げるだけで
・あなたを想っているだけで

最初は‘名前を呼ばれる’という
相手からの自分に対する行動で幸せになっている。

次は‘笑っている’という
相手の単独の行動で幸せになっている。

さらに‘見上げている’という
相手を見るだけで幸せになっている。

最後に‘想っている’という
相手がそこにいない状態でも幸せになっている。

歌詞の後ろへいけばいくほど
撫子の想いはステージが上がっていきます。

自分へのアクションで幸せになっていたところから
それを必要としなくなり
相手の表情の動きで幸せになっていたところから
それを必要としなくなり
相手の存在を確認して幸せになっていたところから
それも必要としなくなった。

想いがどんどん深くなるとともに
ステージが上がっている。

深化して進化している。

さて、この「進化」をどう考えるか。

どんどん想いが深くなっていて
プラトニックになっているともいえます。

が、ぼくはこの「進化」に危うさを感じました。

上でも言ったことと共通しますが
好きになればなるほど
相手と近くで触れたくなるのが普通の恋愛。

なのにこの歌詞では
進めば進むほど
生身の「あなた」を必要としなくなっている!

普通に読めば純粋でロマンティックな恋愛感情。

けれども囮物語で月火が撫子にガツンと言ったことを想起すれば
これは妄想がどんどん膨らんでいっているだけとも言える。
心だけが進化して肥大化していっているとも読める。

めぐりめぐって進化した心。
まわりまわって神化した撫子。

撫子は神になることで
自分の中をサーキュレート(循環)し続ける強さを
持ってしまいました。

つまり、人間であれば逃げても逃げても
どこかで現実にぶち当たる場面が出てくる。
だから、現実逃避して自分の中で完結して
循環しつづけることはできない。

でも、神ならば現実を変えられるため
自分の中にこもりつづけることができる。
循環しつづけることができる。

この状態の撫子は
キスショットでも敵わなかったのですから
力づくで元に戻すことはできません。

というように、恋愛サーキュレーションの歌詞は「進化」と「神化(ラスボス化)」というダブルミーニングを内包したものであり、深く読み込むと非常に恐ろしいものとなっているということです。

「可愛さと怖さ」「美しさと醜さ」が表裏一体の世界観

「物語シーズ」全体を通して言えることですが、恋愛サーキュレーションと同様に「可愛さと怖さ」「美しさと醜さ」は表裏一体であるというのが化物語の一貫した世界観です。

化物語では美少女のキャラクター達が「怪異」と呼ばれるバケモノに憑依されることにより物語が展開しストーリーが進行していきます。

物語シリーズでは可憐で可愛らしい美少女が醜く恐ろしいバケモノと表裏一体の存在であり、その「存在の揺らぎ」により視聴者の心を揺さぶり物語の奥底に引きずり込む構造となっています。

「キモい」のは「イケてる」ことと表裏一体である

そしてこの物語シリーズ的世界観・価値観をさらに突き詰めていけば、逆に「キモい」こともまたその真逆である「イケてる」ことと表裏一体であり、「気持ち悪い萌えアニ豚こそが実は最高にクールである」という見方も可能となります。

化物語の価値観で言えば、このブログで以下の様な記事でエロゲについて必死に語っているキモ萌え二次元豚の私は、実は最高にイケてるということも言えなくもないのです。

この様にこの世界は表裏一体ですので、仮に非正規フリーター・低学歴・貧乏・童貞キモヲタの底辺の方などでも人生に切望してしまう必要は全くありません。

20代であればオセロをひっくり返す様にいくらでも挽回が可能ですので、人生を諦めてしまわずに生きて下さい。

最後に「底辺にして頂点」と呼ばれる大物YouTuberのSyamuさん(syamu_gameとは – ニコニコ大百科)を素材にした恋愛サーキュレーションの超ハイクオリティーな名作MAD「順平サーきゅーれーション」を貼って記事を締めたいと思います。

以上、「化物語OP曲の恋愛サーキュレーションはアニソンを超えた神曲」の記事でした。

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