新型コロナが終息しない世界を日本の結核流行の歴史から予測

コンサートやスポーツイベントなど様々な活動に自粛が求められ、日本に暮らす市民の日常生活や仕事にも大きな影響を与えている新型コロナウイルス。

  • 新型コロナウイルス終息後の世界と日本は一体どのように変化するのか?
  • 新型コロナウイルスの感染拡大はいつ頃収束するのか?
  • 新型コロナウイルスの流行は一体いつ頃まで続くのか?

など心配してネットで様々な情報を調べている方も多いかと思います。

この記事では、敢えて最悪の状況を想定し仮に新型コロナウイルス流行が終息しない世界がどのようなものになるのかを、40年間以上に渡り毎年10万人の日本人が死亡した結核流行の歴史から予測します。

新型コロナは2年後まで長期化するという専門家の予測

以下のイギリスBBCのニュース記事の様に、新型コロナウイルスとの戦いは最低でも今後1年は続くと予測され、ケースによっては2年以上に及ぶ長期化の可能性も危惧されています。

頼みの綱のワクチン開発はどうなっているのか?ということですが、以下のニュース記事の様に新型コロナウイルスは突然変異を起こすことが報告されているため、仮に有効なワクチンが開発されたとしても、その効果が持続する保証はありません。

この様な状況で、大型クルーズ客船ダイヤモンド・プリンセス号での新型コロナウイルスの集団感染を担当したウイルス感染症のスペシャリストである神戸大学の岩田教授も「おそらく事態は数年掛かりの長期戦になる」と予想しています。

また、アメリカのハーバード大学でも「新型コロナに伴う外出自粛は繰り返し2022年まで行われる」という予測を発表しています。

この様に多くの専門家・研究機関が新型コロナの終息に対して悲観的に見通しを持っており、少なくとも現在の様な状態が2年後の2022年まで続く可能性が危惧されています。

実際に2009年の新型インフルエンザ(H1N1)のパンデミックは南半球にも拡大してしまったため抑え込みに完全に失敗しており、以下のインタビュー(途中から有料記事です)で岩田教授で解説しているように10年後の2019年でも流行が終息することなく、日本国内で毎年3,000人の犠牲者を生み続けています。

この新型インフルエンザ(H1N1)の事例を考えれば、同様に新型コロナウイルス(COVID-19)も数年で終息することなく10年以上も流行が続き多くの犠牲者を生み続けるという最悪のケースも可能性として考えられるわけです。

新型コロナが終息しない世界と日本の結核の歴史

以下のWHO(世界保健機関)の発表では、2009年の新型インフルエンザ(H1N1)の10倍の致死率があるとされる新型コロナウイルス(COVID-19)。

非常に致死率が高く欧米先進国で数万の死者を生んでいる新型コロナの流行が終息することなく10年以上も続く世界。

想像するだけでまるでこの世の終わりの様な恐ろしい地獄絵図ですが、しかし、仮にそのような最悪のケースになったとしても決して人類にとっても日本人にとっても未曽有のパンデミックでは全くありません。

それはなぜか?

私達日本人は結核の流行を経験しているからです。

しかもそれは遠い遠い大昔ではなくつい数10年前までの日本で起こっていた話です。

40年間以上に渡り毎年10万人の日本人が死亡した結核

結核の恐ろしさと言われても現実味がありませんが、かつて結核は日本人にとって新型コロナウイルスより遙かに危険な感染症でしたし、実は現在でも毎年1,900人が犠牲になっている恐ろしい感染症です。

以下の結核死亡者数の推移の統計グラフの様に、かつて結核は日本国内だけで毎年10万人を死に至らしめる感染症であり、そしてこの結核の流行は戦後もしばらく続きます。結核により年間10万人以上の死者が発生した期間は40年間以上にも渡ります。

参照:平成26年版厚生労働白書 ~健康・予防元年~|厚生労働省

しかも、かつて結核では以下の分布グラフの様に20代の未来ある若者が非常に多く犠牲になっていたので、その絶望感は犠牲者の大半が高齢者である新型コロナウイルス以上でした。

参照:若年者の結核 – 公益財団法人 結核予防会 結核研究所

例えるなら何10年間も新型コロナウイルスが終息することなく猛威を振るい続け、毎年多くの市民を死に至らしめる。

その様な恐ろしい地獄絵図の世界を日本人は結核の流行で経験済なのです。

日本人は結核を当たり前と受け入れて普通に生活していた

日本国内だけで毎年10万人以上が結核という感染症によって死に至る恐ろしいパンデミックの世界。

BCG普及による予防が進み抗菌剤による治療法が確立するまで、結核は「不治の病」として日本人に非常に恐れられた感染症でした。

しかし、たとえ毎年10万人以上を死に至らしめる地獄の様なパンデミックであれ、それが40年間もの非常に長期間にわたって続けば、それを当たり前のこととして受け入れて日常生活を送る以外にありません。

かつて私達の祖父・祖母の世代(大正・昭和初期生まれ)までの日本人は、パニックを起こすこともなく結核を当たり前と受け入れて普通に生活していました。

日本国内でたった100人程度(2020年4月15日現在)の死者の新型コロナ流行でパニックを起こし大騒ぎしている現在の日本人は、結核が猛威を振るっていた当時の日本人からすると大げさに騒ぐ心配性にしか見えないかもしれません。

結核患者を長期間社会から隔離し療養させたサナトリウム

この様に当時の日本人は結核の流行を当たり前の様に受け入れていたとは言っても、大量の死者を生む恐ろしい感染症を市中で野放しにしておくわけにはいきません。

結核患者は都市部の住宅地から離れた郊外のサナトリウム(療養所)に収容され、数ヶ月に渡って社会から隔離される措置が取られました。


かつて神奈川県茅ヶ崎市に存在した結核療養所「南湖院(なんこいん)」で療養する女性患者達の様子

オカルトマニア(もしくは俺オナ民)の間では心霊スポットとして知られている「貝塚結核病院」の廃墟などもこの様なサナトリウムの名残であり、かつては全国各地に同様の療養所が存在していました。


関西エリアの恐怖スポットとして知られる貝塚結核病院(所在地:大阪府貝塚市地藏堂1175)

以下の統計グラフの様に、サナトリウム療法の最盛期であった1950年代~1960年代には国内で25万病床もをカバーする結核療養所が配備されており、日本全国で600棟の施設に大量の結核患者を長期間に渡り入院させ、社会から隔離し続けていました。

参照:日本における結核療養所の歴史と時期区分に関する考察(PDF)|専修大学社会科学年報第50号

新型コロナウイルス感染者が回復するまで数週間に渡って医療機関の病床を占有し続けることが問題視され医療崩壊が危惧されていますが、かつての日本では数10万人もの結核患者が数週間どころか数ヶ月の長期に渡って療養所の病床に隔離され、半年以上に渡り管理検診によるチェックが行われていたのです。

実際の結核療養所での生活がどのようなものであったか知りたい方は、スタジオジブリ作品「風立ちぬ」内の映像でもリアルに描写されていますので興味があればご覧ください。


風立ちぬ [DVD]

新型コロナ長期化の場合は感染者は療養所に隔離される

この様な日本における結核療養・隔離の歴史と同様に、仮に新型コロナウイルスの流行が長期化した場合、医療崩壊を防ぐために軽症や無症状の感染者は療養所に隔離される措置が取られる可能性が高いと私は予想しています。

新型コロナウイルスは一部の持病持ち・高齢者などにとっては非常に致死率の高い危険なウイルスで社会から隔離し感染拡大を防止する必要がありますが、8割以上の大部分の感染者は軽症や無症状であり、隔離先は高度な医療機関ではなくサナトリウムや療養所などの病棟で問題ありません。

現在の様に新型コロナ感染者が長期間にわたって医療機関の病床とリソースを占有する状況が続けば、日本の都市部の医療崩壊は必至であり、新型コロナ流行が長期化した場合、医療体制を正常化するために軽症の感染者をかつての結核療養所の様な施設に隔離せざるを得なくなるでしょう。

新型コロナ流行がどれほど深刻化しようが日常は続く

新型コロナの流行とパンデミックがどれほど深刻化しようが、日本においてもイタリアやスペインなどの欧米諸国の様に何万人もの死者が発生しようが、この世界は決して終わることなどなく私達の日常は続きます。

実際に私達日本人は、かつて結核によって毎年10万人の国民が犠牲になっていた40年間に渡って、そのように平然と当たり前に日常を送り続けて来たのです。

そしてかつての日本と同様に、新型コロナ感染者を療養所に隔離しながら、私達日本人は当たり前に日常生活を続ける様になるはずです。

この世界がどれほどの地獄絵図になろうが、それが長く続けば私達はそれを当たり前の日常として受け入れる他ないのです。

これが最悪の可能性を想定した新型コロナが終息しない世界の予測です。

以上、「新型コロナが終息しない世界を日本の結核流行の歴史から予測」の記事でした。

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