名曲「夜空ノムコウ」の歌詞の意味。平成不況とロスジェネ論

このブログ記事は国民的アイドルSMAPの名曲「夜空ノムコウ」の歌詞の意味と、日本経済が平成不況に苦しんだ1998年当時に夜空ノムコウが大ヒットした理由のロスジェネ論からの考察です。

SMAPの名曲「夜空ノムコウ」

夜空ノムコウ – SMAP

夜空ノムコウはロスジェネと平成不況の悲哀を歌った名曲

名曲「夜空ノムコウ」の歌詞の意味と1998年に夜空ノムコウが大ヒットした理由の考察をテーマとしたこのブログ記事。

いきなり考察の核心と結論を書いてしまいます。

SMAPの名曲「夜空ノムコウ」の歌詞は意図してか意図せずかバブル崩壊と平成不況に翻弄されたロスジェネ世代(失われた世代 – Wikipedia)の非正規フリーターの悲哀を歌っており、それが平成不況に苦しむ発売当時の日本の世相と重なったことが大ヒットの理由です。

夜空ノムコウの作詞はサラリーマン経験者のシンガーソングライターであるスガシカオ(スガシカオ – Wikipedia)。作曲は女性シンガーソングライターの川村結花(川村結花 – Wikipedia)。

この曲の作詞・作曲は「世界に一つだけの花」を生み出した槇原敬之ではありません。

夜空ノムコウの歌詞の平成不況・ロスジェネ視点の解説

夜空ノムコウの歌詞の意味を、社会に出た20代の時期をバブル崩壊と平成不況に翻弄されたロスジェネ世代の非正規・フリーター視点で、替え歌風に解説していきます。

あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ
夜空のむこうには 明日がもう待っている

バブル崩壊からロスジェネ世代は 何かを信じてこれたかなぁ
不況のむこうには 景気回復が待っている

誰かの声に気づき ぼくらは身をひそめた
公園のフェンス越しに 夜の風が吹いた

就職氷河期に気づき ロスジェネ世代は身をひそめた
国の雇用対策は穴だらけで 世間の風は冷たかった

君が何か伝えようと にぎり返したその手は
ぼくの心のやわらかい場所を 今でもまだしめつける

正社員就職した君が励まそうと にぎり返したその手は
フリーターのぼくの劣等感を 今でもまだしめつける

あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ
マドをそっと開けてみる 冬の風のにおいがした

バブル崩壊からロスジェネ世代は 何かを信じてこれたかなぁ
恐る恐る就職活動をしてみる まだ労働市場は冷え込んでいた

悲しみっていつかは 消えてしまうものなのかなぁ
タメ息は少しだけ 白く残ってすぐ消えた

不景気っていつかは 終わってくれるものなのかなぁ
好景気は少しだけ バブルを残してすぐ消えた

歩き出すことさえも いちいちためらうくせに
つまらない常識など つぶせると思ってた

就職活動さえも いちいちためらうフリーターのくせに
正社員至上主義なんて つぶせると思ってた

君に話した言葉は どれだけ残っているの?
ぼくの心のいちばん奥で から回りしつづける

堅実に就職した君に話した将来の夢は どれだけ記憶に残っているの?
呑気に生きてる様に見えても心の中では 夢と現実のギャップで焦燥感を感じている

あのころの未来に ぼくらは立っているのかなぁ
全てが思うほど うまくはいかないみたいだ

バブル時代に思い描いた未来に ロスジェネ世代は立っているのかなぁ
キャリアが思うほど うまくはいかないみたいだ

このままどこまでも 日々は続いていくのかなぁ
雲のない星空が マドのむこうにつづいてる

このままどこまでも フリーター生活を続けていくのかなぁ
不良債権を整理した後遺症が 日本経済ではつづいてる

あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ
夜空のむこうには もう明日が待っている

バブル崩壊からロスジェネ世代は 何かを信じてこれたかなぁ
不況のむこうには 景気回復が待っている

夜空ノムコウの歌詞はロスジェネの非正規に共感された

以上、バブル崩壊と平成不況に翻弄されたロスジェネ世代の非正規・フリーター視点での夜空ノムコウの歌詞の意味の解釈でした。

これはロスジェネ世代の非正規フリーターに共感されまくるし大ヒットするのも当然です。

歌詞で描かれる情景と心情の全てが、バブル崩壊と平成不況に翻弄されたロスジェネ世代の非正規フリーターの厳しい現実に当てはまりまくっているのですから。

夜空ノムコウの歌詞は、マーケティングのターゲットとしてロスジェネ世代の非正規フリーターを意図的に狙って書かれたのかどうかは分かりません。

Wikipedia(ウィキペディア)の「夜空ノムコウ」の解説には

プロデューサーが、男性視点による新しい詞の制作をスガシカオに依頼した。

とある通り、商業的に新しいファン層を開拓するという意図はあったかもしれません。

ただ、たまたまにせよ意図的にせよ、当時の日本の世相や雰囲気を恐ろしく的確に描いた曲であったことは間違いありません。

夜空ノムコウでSMAPは男女に人気の国民的アイドルに

そしてこの夜空ノムコウがロスジェネ世代の男性人気を得てSMAP初のミリオンセラーシングルとなったことで、SMAPは女性人気のジャニーズアイドルから男女に人気の国民的アイドルへと飛躍していくことになります。

JOYSOUND公式サイトでは、カラオケで歌われるアーティストや楽曲の男女比や年齢比などのデータを見ることが出来ます。

女性に人気のジャニーズアイドルグループKAT-TUN (カトゥーン)の人気の男女比データなどは以下の通り。カラオケでもほぼ7割近くを女性に歌われています(参照)。

比較的男受けも悪くないジャニーズアイドルグループの嵐でも男女比などは以下の通り。カラオケで6割以上を女性に歌われています(参照)。

一方で以下がSMAPの夜空ノムコウの男女比などのデータ。カラオケでも6割以上を男性によって歌われている曲であり、他のジャニーズアイドルとは一線を画す男性人気を得ていることが分かります。また年代的にも他のジャニーズグループとよりも40代のロスジェネ世代の男性によく歌われていることが特徴的です(参照)。

この夜空ノムコウで女性人気だけでなく男性人気も強固なものとしたことで、SMAPは絶対的な国民的アイドルへと飛躍していくことになったのです。

コロナ不況の今の日本で求められるのは夜空ノムコウの様な曲ではないか

夜空ノムコウが発売され大ヒットしたのが1998年。

以下のグラフデータにあるようにバブル崩壊と平成不況が国民生活に与えるダメージが本格化し、失業率の急激な上昇や自殺者数の急増などが起こった暗い年でした(クリックでグラフの画像を拡大します)。


参照:完全失業率の推移 – 立命館大学


参照:自殺者数の推移 – 厚生労働省

一方で現在の日本も新型コロナウイルスの影響で1998年当時と同様の非常に深刻な不況へと突入しつつあります。

コロナ不況に見舞われる今の日本で求められるのは、ロスジェネ世代の非正規フリーターの悲哀を歌った夜空ノムコウの様な弱者が押し殺す心の声を代弁する曲ではないでしょうか。

以上、「名曲「夜空ノムコウ」の歌詞の意味。平成不況とロスジェネ論」の記事でした。

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