建築現場のバイトは時給が高くても割に合わない理由。ネックは弁当代・飲み物代の経費と長い拘束時間

私は大卒後新卒で入社したブラック企業を身体を壊して3年で辞めた後、しばらく派遣社員として働いていましたが、会社を辞めて最初に働いたのが建築現場での肉体労働でした。2017年の今から約8~9年ほど前、ちょうどリーマンショックがあった頃のことです。

建築現場での肉体労働のバイトを選んだ理由は、時給が1,000円以上・日当で1万円以上(数時間の残業もあれば日当で1万3千円近く)と私が住む地方ではかなり高い時給だったからです。

しかし、時給の高さに惹かれて建築現場での肉体労働のバイトを選んだことは失敗でした。結局は数ヶ月で建築現場の仕事を辞め、工場バイトに派遣先の配置変えをして貰いました。

時給や日当だけを見るとフリーターでも頑張れば額面で30万円近く稼げそうな建築現場の仕事ですが、その実態は全く割合わないアルバイトです。

致命的なネックとなるのは弁当代・飲み物代の経費と長い拘束時間です。

建築現場の仕事は弁当代・飲み物代で経費が掛かる

建築現場の仕事はとにかく弁当代・飲み物代で異常に食費が掛かります。

建築現場は力仕事の肉体労働ですので非常にお腹がすきコンビニ弁当1つでは絶対的に量が足りず、コンビニ弁当とパンなどを買うことになります。500円の弁当と150円くらいのパン、そして飲み物も必要ですのでさらに150円~200円ほどかかり、1食あたり700円や800円くらいは当たり前の様にお金が掛かります。

もしも近くにスーパーなどであれば弁当も300円程度の安い弁当を買って食べられますが、現場から余り遠くに離れることは現場の上司から好まれませんので、結局は大半の場合は、店舗が多く手近で弁当や飲み物の買えるコンビニエンスストアを利用することになります。

コンビニの弁当は安いスーパーの弁当に比べると1.5倍近く値段が高いです。また、弁当一つだけでは量が足りず他にも何か買うので非常に食費が掛かります。

建築現場の仕事は集合が午前5時前後と朝が非常に早いため、朝もコンビニ弁当を買います。そして昼食を食べた後にも午後の力仕事が終わればどうしてもお腹がすきますので、帰りはまたコンビニに寄って、おむすびなどちょっと何かを買い食いして帰ります。

その他にも夏場であれば暑さで大量に汗をかきますので、飲み物も500リットルのお茶やジュースなどを1日4~5本は飲みます。その飲み物代も非常にかさみます。

建築現場の仕事での1日のお弁当代や飲み物代の合計はこの様な感じでした。

朝:コンビニ弁当500円+飲み物150円
昼:コンビニ弁当500円+パン150円+飲み物150円
帰り:おむすび150円+飲み物150円
===========
1日の食費と飲み物代の合計:1,750円

毎回出勤する度にこの様に1,500円~2,000円ほどが労働の経費として出て行きますので、日当1万円と言っても実質の日当は8,000円です。実質的な給与は時給800円台のアルバイトと変わりません。

毎日の労働のうち2時間近くは経費であるコンビニ弁当代などだけの為に働いていると思うと、馬鹿らしくて働き続けるモチベーションが急激になくなっていきました。

賞味の稼働はそれほど長くないが拘束時間が非常に長い

建築現場の仕事は休憩がかなり多く、賞味の稼働時間は実はそれほど長くないのですが、とにかく拘束時間が非常に長いです。

建築現場の仕事での1日の本当の賞味の労働時間は4~5時間程度なのですが、10時に30分ほど一服の休みがあり、昼休みが1時間ほどあり、そして15時にも30分ほど一服の休みがありと非常にこまめに休憩の時間が取られます。

これらの休憩時間の他にも、資材がドラックで運び込まれて来るのを待つ待機時間なども非常に多く、体感的には賞味の労働時間は現場にいる時間のだいたい半分くらいという感じです。

慌ただしくなくゆっくりと休みながら仕事が出来るというのは良い面ですが、逆に言えば無駄なロスの時間が多く、必要以上の拘束時間や待ち時間が生じるのが、自分の時間を非常に無駄にしているようで嫌だったです。

また、派遣や契約社員での建築現場の仕事は、県外など遠くの建築現場に行かされる仕事も多く、その様な場合は、時給を支払われる労働時間以外にも、往復の移動時間などで4時間以上の時間を仕事に奪われました。

県外などの遠くの建築現場の場合、1日のスケジュールはこの様な感じです。

午前5時30分:家を出発する → 午前6時:集合場所に到着 → 午前6時30分:車に乗せられて移動開始 → 午前7時30分:現場に到着 → 午前8時:始業 → 午後5時:終業 → 午後5時30分:車に乗せられて移動開始 → 午後6時30:集合場所で解散 →午後7時:家に着く

1日の拘束時間は午前5時30分から午後7時までと14時間近くもありますが、時給に換算される労働時間は午前8時から午後5時まで。途中で昼休みが1時間がありますので8時間労働です。

日当1万円というとバイトとしてはかなり割のいい仕事に思えますが、実際はこの様に非常に拘束時間が長い場合も建築現場のアルバイトではかなり多いです。

また、先ほど説明しました様にお弁当代や飲み物代で1日当たり1,500円~2,000円ほどは当たり前の様に経費が掛かり、実質的に手に入れられるお金はかなり減りますので、実際の体感だと全く労力や拘束時間に見合わない非常に安い賃金の仕事と言わざるを得ませんでした。

フリーターなら建築現場よりも工場での仕事がおすすめ

フリーターとして暮らすなら、この様に時給が高い割に拘束時間が長く、そして出費も多く、実質的な時給はかなり低い建築現場のアルバイトよりも、工場でのアルバイトが断然におすすめです。

私は建築現場と工場勤務の両方の職場を体験しましたが、建築現場の求人と工場勤務の求人があるなら、仮に時給が100円ほど安くとも工場勤務のアルバイトを選択するべきです。建築現場の求人と工場勤務の求人は、時給で200円ほど差がついて、ようやく互角という感じです。

特に大企業の工場は、ほとんどただ同然でしっかりと食事が取れる社員食堂なども完備され、また非正規雇用であっても残業手当や交通費支給など手当や待遇が非常に手厚いですので、多少時給が安くとも、お弁当代や飲み物代で無駄な出費のかさんでしまう建築現場のバイトよりも、実質的に得ることの出来るお金は多くなります。

工場勤務の素晴らしさは以下で詳しく説明していますので、フリーターや非正規としての働き先をご検討の方は是非お読みください。

参考:フリーターや非正規労働者としての職場は工場勤務が一番おすすめな理由

以上、「建築現場のバイトは時給が高くても割に合わない理由。ネックは弁当代・飲み物代の経費と長い拘束時間」の記事でした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする