結婚して子供を作るなら賃貸で中古一戸建ての住宅を借りるのが一番経済的です

結婚やお子様の誕生を機に、「子供が居るとマンション住まいは気を遣うから」とマイホームの新築を検討されている方もいるかと思います。

しかし、結婚して子供を作るなら賃貸で中古一戸建ての住宅を借りるのが一番経済的です。

わざわざ高額の住宅ローンを組んで借金してまで新築の住宅を買うメリットは、下らない自己満足と見栄と満たすこと以外には1ミリもありません。

人口減少で地価と物件相場は右肩下がりで値下がり続ける

これからの日本では、人口減少で地価と物件相場は右肩下がりで値下がり続けます。住宅ローンを組んで持ち家を買っても、その資産価値は急激に下がり続けますので、ローンを払い終わった頃には資産としての価値は全く残っていません。

確かに日本の人口が右肩上がりに増加し続け土地の価値が値上がりし続けていた昭和の時代までであれば、土地を買って家を建てるということは非常に手堅い資産構築でした。

しかし、人口減少のこれからの日本では、その時代遅れの常識や価値観は全く通用しません。住宅ローンを組んで土地や家を買っても全く資産にはならないのです。

以下が1983年を基準にした日本の土地価格とアメリカの不動産価格の推移です。(日本は土地価格のみ、アメリカは土地と住宅の合計価格)

アメリカの不動産価格と日本の公示地価の推移 – 海外投資データバンク
http://www.world401.com/data_yougo/usa_house_price.html

日本の公示地価は、1991年がピークで83年から約4.9倍に暴騰し、その後は急坂を転がり落ちるように下落の一途で推移しています。一応、2013年を底に僅かに反転し、2013~2015年で5%ほど上昇しています。これは日本の景気が少し回復した事と、東京でオリンピック特需に乗った不動産投機が激増していることが理由です。

当然、東京のみの局所バブルであり、全国的には空き家率が10%を越えるなど、不動産の余剰が問題化しつつあります。そもそも日本は、少子化による人口減少で住宅需要は漸減していく事が確実です。一方でアメリカは、出生率が高いことや移民が多いことなどから、先進国では例外的に人口が増加しており、住宅需要は常に高い状態です。

日本の土地価格は1990年頃のバブル絶頂期をピークに高騰と大暴落を経て、現在はバブル景気直後の1980年代半ばとほぼ同様の相場価格で安定的な推移となっています。

グラフの推移を見るとバブル期の地価高騰だけが特殊な事例であり、この先はずっとこのまま安定した土地価格となる様に見えますが、その認識は間違いです。

土地価格は今後2020年以降は右肩下がりに急落していきます。なぜならこれまでは増加し続けていた日本の人口が本格的に減少に転じるからです。

下は総務省が2012年にまとめた「情報通信白書」にある日本の人口推移のグラフです。

日本の人口推移 – 総務省「平成24年版 情報通信白書」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc112120.html

我が国の人口については、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」における出生中位(死亡中位)推計を基に見てみると、総人口は、2030年(平成42年)の1億1,662万人を経て、2048年(平成60年)には1億人を割って9,913万人となり、2060年(平成72年)には8,674万人になるものと見込まれている。

1950年代には8,000万人強だった人口はその後も増加を続け、ピークの2010年で1億2,806万人に達しましたが、2020年頃から本格的な人口減少が始まり、今後の50年間で日本の人口は約2/3に減少していきます。

バブル崩壊後は人口が微増していた2010年まででもずっと横ばいだった日本の土地価格。今後日本が本格的に人口減少の時代に突入することに伴い、住宅需要を失った土地価格が急落していくことは100%確実な状況なのです。

「住宅という箱は劣化して価値が減少しても、土台の土地の資産価値は落ちることはないから」と20年以上の高額の長期ローンを組んで買ったその一戸建て住宅。しかし、ようやくローンを全額払い終える頃には、建物の価値同様にその土地価格も下落し切っていて、まともな売値が付かなくなっている可能性が高いのです。

最初だけ新築のマイホーム。住み続ければ中古住宅と同じ

この様な住宅の資産価値や経済的な損得計算を抜きにしても、「新築のマイホーム」ということ自体に憧れの気持ちを抱いている方もいるかもしれません。

しかし冷静になって下さい。

新築のマイホームを購入してもそれが「新築」であるのは最初だけです。

家族と共に生涯ずっと30年後や40年後の未来まで住み続ける家であるなら、新築のマイホームも完全に使い古された中古住宅となっていきます。

「新築のマイホーム生活」というたった一瞬の自己満足だけのために、20年以上も借金を返済し続ける高額のローンを組んで新築のマイホームを購入するのですか?

確かに戦後まもなくの日本の庶民の住居は粗末な木造のボロ屋でした。

上は東京都大田区にある「南久が原 昭和のくらし博物館」の画像です。1951年に建てられた住宅をそのまま保存・管理し、内部を公開しているという私設の資料館で、1999年にオープンしました。

正直に言って気密性も非常に低く冬は隙間風で寒そうですね。昭和らしい趣はありますが、機能的に見れば、確かにあまり住み心地の良い家とは言い難いです。

私自身も今から20年以上昔の子供時代は、この様な1950年代に建てられた木造のボロ屋に住んでいましたので、この様な家での冬の寒さは身に染みて分かっています。

そして、かつて昭和の新築マイホームブームは、子供時代にこの様な木造のボロ家にすんでいた世代が、結婚や出産での新生活を機にワンランク上の住環境へとステップアップするというものでした。

ですので、マイホームブームで建てられた日本の住宅、特にバブル期前後の1980年代~1990年代に建てられた住宅は、むしろ現在よりも基礎の素材もしっかりした質の良い物が用いられており、中古住宅であっても昔ながらの昭和のボロ屋と違って非常にしっかりした造りとなっています。

230万円でリフォームした築30年の家 – 住空間建築設計
http://jyukukan.net/2013/01/78

築30年。草が生え、古くなった玄関ドアの交換をご希望され、玄関ドアはトステムの黒の木目の入ったアルミ戸へ交換しました。
和の外観にもあっています。外部の通路部は、真土を敷き、飛び石を敷きました。

上は築30年。1980年代に建てられた中古住宅です。(一級建築士事務所「住空間建築設計」が230万円でリフォームを行っています)

この様な家で不満ですか?

「お城の様な家に住みたい」「豪邸に住みたい」とかいうセレブ志向の方ではなければ、この程度の家なら全然問題なく住めますよね。特に贅沢を望まない庶民なら、住宅はこの程度の中古住宅で十分だと思います。

新築一戸建ての相場は土地と建物を合わせて3,000万円前後と言われています。

一方で築20年超の中古一戸建ての相場はその半額の1,500万円前後となります。仮に雨漏りなどがあり大規模な修繕やリフォームを行ったとしても合計で2,000万円未満です。

しかも、2017年現在から5年ほどで、バブル期のマイホームブームに一戸建てを建てた1950年代前後生まれの団塊世代が後期高齢者の年齢となり、死亡したり介護施設に入居したりしていきます。

ですので、この様な中古住宅の空き家は急激に増加し、1,000万円前後などにさらに相場が下落して手に入れやすい価格帯となっていくことが確実です。修繕やリフォームの費用を含めても総額1,500万円程度で購入できる中古住宅はこれから非常に増えて行くでしょう。2022年が中古住宅相場急落の一つの目安の年になります。

あと5年ほど経てば総額で半額の1,500万円程度でそれなりに立派な中古の一戸建てを買うことが可能になる。それでもやはり、頭金の為に貴重な貯金を取り崩し、20年以上の住宅ローンを組み、3,000万円前後もする新築のマイホームを買いますか?

富裕層でお金に余裕のある方であれば、新築のマイホームを購入しても問題ないかと思いますが、一般的な収入や貯蓄の庶民の方には、今のタイミングでの新築マイホームの購入はあまりおすすめ出来ません。

当分は賃貸で中古一戸建てに住むのが最も賢い方法

結婚や出産で賃貸のマンションからの住み替えを考えているのなら、新築の一戸建て購入するのではなく、中古住宅価格の相場が急落する2022年までは賃貸で中古一戸建ての住宅を借りて住むのが一番経済的で賢い方法です。

標準的な中古一戸建ての住宅の場合、マンション住まいとほぼ変わらない月8万円~10万円程度の賃貸料で、それなりに造りも立派で子供も走り回れるくらいの広々とした住居に住むことが可能です。

その間の家賃が年間100万円、5年間で500万円程度です。しかし、人口動態のデータから中古住宅価格の相場は2022年頃には1,500万円前後から1,000万円前後へと急落することが確実ですので、賃貸住居に住む5年間の間に支払う家賃がロスになることはありません。

また、ローンを組んで3,000万円の新築の住居を建てた場合、住宅ローンの金利が掛かりますので、頭金1,000万円・借入金額2,000万円・金利1.5%・30年払いとしても利子の総額は約500万円となり、総支払金額は3,500万円程度になります。

一方で、2017年現在から2022年までの5年間は中古一戸建てに住み、その間に貯金を増やして、相場が値下がりした中古住宅を全て現金で購入する。この様な方法であれば、最初から住宅ローンを借りることなく利子の500万円も払う必要もありません。

さらに、人口減少と物件余りによって、2020年以降は賃貸相場も急激に下落して行くことが確実ですので、それなりに立派な中古一戸建てが月5万円程度の非常にリーズナブルな賃貸料で借りることが出来る様になっていきます。

この様な不動産相場の動向によっては、ずっと家を買わずに賃貸生活を続けた方が得だという状況も起こり得るでしょう。

いずれにせよ、今後5年~10年の間に不動産相場の暴落は確実な状況ですので、子供が生まれたという場合も、このタイミングで慌ててマイホームを購入してしまわずに、当面は中古一戸建てを賃貸して様子を見る、という方法をおすすめします。

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以上、「結婚して子供を作るなら賃貸で中古一戸建ての住宅を借りるのが一番経済的です」の記事でした。

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