今後求められるのは効率的でコンパクトな都市。大規模で非効率な肥満体都市・東京は滅びる

これからの日本で求められるのは効率的でコンパクトな都市です。必要以上に規模が大きく非効率の塊と化した東京という肥満体の巨大都市は滅びる運命にあるでしょう。

今後日本で求められるのは効率的でコンパクトな都市

近年では「コンパクトシティ」という標語がマスメディア等でも盛んに言われ始めている通り、高齢化と生産年齢人口の減少によってインフラの維持管理を担う人的資源の限られるこれからの日本で求められるのは、最小限の移動コストで就労から消費生活まで全てを満たすことの出来る効率的でコンパクトな構造の都市です。

コンパクトシティ – Wikipedia

コンパクトシティ(英: Compact City)とは、都市的土地利用の郊外への拡大を抑制すると同時に中心市街地の活性化が図られた、生活に必要な諸機能が近接した効率的で持続可能な都市、もしくはそれを目指した都市政策のことである。

類似した概念としては、アメリカにおける「ニューアーバニズム」や、イギリスにおける「アーバンビレッジ」などがある。

■コンパクトシティの発想
都市郊外化・スプロール化を抑制し、市街地のスケールを小さく保ち、歩いてゆける範囲を生活圏と捉え、コミュニティの再生や住みやすいまちづくりを目指そうとするのがコンパクトシティの発想である。

■日本の推進例
市街地の拡大による除雪費用の増大が問題となっていた青森市では、郊外の開発の抑制と新町を含む中心市街地の再開発を施策とし、公営住宅の郊外から中心部への移転などを行っている。

(中略)

比較的規模の大きい地方都市では近年、中心市街地の地価の下落や工場の移転等に伴う都心部へのマンション建設による人口の都心回帰という、コンパクトシティの方向への自然発生的な変化も見られる。

上の青森市の除雪費用対策の例にもある様に、都市の構造をコンパクトにすることで、都市インフラの維持管理コストも大幅に効率化されるわけです。

生産年齢人口の減少のためにインフラ維持に必要な労働力を賄うことが困難になるこれからの日本にとって、コンパクトシティは絶対不可避の至上命題となっていくことは確実です。

しかし、このコンパクトシティの理念に完全に反する肥大化を未だに続けているのが、マイナス成長の肥満体都市・東京なのです。

規模が拡大し過ぎて非効率の塊と化した巨大都市・東京

東京は長らく日本の中核都市として地方から多くの財貨と人口を吸収し、その都市規模を拡大し続けてきました。

しかし、余りにも多くの富と人とを吸収し規模を拡大し過ぎた為に構造的に肥満体と化した東京は、致命的な都市機能不全に陥りつつあります。

2016年12月21日の都民経済計算による発表で、東京都は2016年度も1.1%のマイナス成長となり、これで2014年から2016年まで3年連続のGDPマイナス成長であったことが明らかになりました。

都内1.1%マイナス成長 都、今年度見通し 消費の動き鈍く – 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO10949860R21C16A2L83000/

東京都は21日発表した都民経済計算で、2016年度の都内の実質経済成長率がマイナス1.1%になるとの見通しを明らかにした。

国内総生産(GDP)の都内分を推計したもので、マイナス成長は3年連続となる。個人消費の動きが鈍く、15年度(速報)のマイナス0.3%に比べても減少幅が拡大する。

内閣府が7月にまとめた16年度の全国の実質経済成長率見通しは0.9%のプラスだった。2年連続で全国水準も下回る。12月8日までに公表されたデータをもとに算出した。業種別でみると、卸売・小売業(5.6%減)や鉱業・製造業(7.2%減)の落ち込みが全体に響いた。

1.1%のマイナス成長というとかなりの大幅なマイナスですが、しかもここでさらに注目したいのは、全国の実質経済成長率は0.9%のプラスであることです。

つまり東京に財貨と人口を吸い取られているはずの東京以外の地方都市は順調に経済成長を続け、一方で地方から多くの財貨と人口を集めているはずの東京の経済が逆にマイナス成長に陥り相対的に没落しているという旧来の常識では俄かには信じ難い事態が、この日本で現実に発生しているということです。

さらに以下は東京の人口の推移です。この15年間でさらに150万人の人口増となり、右肩上がりに人口が増加し続けています。

「東京都の人口(推計)」の概要(平成28年1月1日現在)- 東京都
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2016/01/40q1s100.htm

日本全国の人口は以下の記事にあるように8年連続で減少。そして東京とその周辺地域への人口の一極集中が発生しています。

日本の人口、減少幅最大の30万人 東京圏集中も加速 – 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS05H1T_V00C17A7EA1000/

総務省が5日発表した住民基本台帳に基づく2017年1月1日時点の人口動態調査によると、日本人の総人口は1億2558万3658人で、8年連続で減少した。前年から30万8084人減り、減少幅は1968年の調査開始以降で最大。出生数は初めて100万人を割った。少子化の進行が鮮明となり、東京圏への人口集中も顕著になっている。

人口増加は東京圏(東京、千葉、埼玉、神奈川の4都県)が中心だ。4都県はいずれも人口が増えた。雇用を求めて人が集まる傾向が続く。関西圏(京都、大阪、兵庫、奈良の4府県)と名古屋圏(愛知、岐阜、三重の3県)を含む三大都市圏の人口は、前年比0.06%増の6453万258人。日本全体に占める人口割合は5割を超える。

しかし、この様に日本中から人口が集中して地方から大量の人口が流入し続けているにも関わらず、東京経済は3年連続でマイナス成長、そして地方経済は連続でプラス成長となっている訳です。これは恐ろしい事実です。

余りにも多くの富と人とを吸収し規模を拡大し過ぎた為に構造的に非効率極まりない肥満体と化し、致命的な都市機能不全に陥りつつある。それが現在の東京という巨大都市の病理です。

毎日の通勤時間が片道1時間以上という肥満体都市・東京の現実

必要以上に規模を拡大し過ぎた肥満体都市・東京の非効率性を最も分かりやすく象徴するのが、首都圏のサラリーマンが強いられる膨大な通勤時間です。

東京・大阪の「通勤時間」はやはり長かった – 東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/140017

東京都内や大阪府内へ電車で通勤・通学する人の半数以上が、片道1時間以上かけて職場や学校に通っている――。「長い」と思うだろうか、それとも「当たり前」と思うだろうか。インターネット調査会社のマクロミルがこのほど実施した、東京都内、大阪府内へ電車で通勤・通学する人を対象にした調査で、このような実態が明らかになった。

この調査は、東京都内に電車で通う東京・神奈川・千葉・埼玉の1000人、同じく大阪府内に電車で通う大阪・京都・奈良・兵庫の1000人を対象に、9月30日・10月1日に実施。通勤・通学時間が片道1時間を超えると答えた人の割合は、東京の場合が55%、大阪の場合が45.3%だった。東京では半分以上、大阪でもほぼ半数近い人が、1日24時間のうち2時間超を職場や学校への行き帰りに費やしているわけだ。

東京では通勤・通学時間が片道1時間以上の割合が55%と過半数を超える。つまり、東京では通勤・通学の為に往復で毎日2時間以上もの無駄な時間を浪費させられているという異常な非効率が、完全に当たり前のものとしてまかり通っているのです。

通勤の所用時間が往復で毎日2時間。厚生労働省が平成28年に発表した「就労条件総合調査結果の概況」によると、日本のフルタイム労働者の年間休日数の平均は113.8日。

就労条件総合調査結果の概況 – 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/16/dl/gaiyou01.pdf

つまりサラリーマンの出勤日数は年間250日程度が標準的ということになり、東京では過半数のサラリーマンが年間で合計500時間以上もの膨大な時間を通勤という経済的に全く何も生み出さない非生産的な移動行為の為に費やしているわけです。

この様な肥大化し過ぎた都市構造の為に当たり前に蔓延している巨大な非効率が、東京経済のマイナス成長の大きな要因であることは間違いありません。

肥満体都市・東京を救うには?デブはダイエットしろ!

この様に都市規模が肥大化し過ぎたことによる非効率の為に、人口増加にも関わらずGDPマイナス成長となるという末期的な病状に進みつつある肥満体都市・東京を救う方法は一体何でしょうか。

その答えは簡単です。

「デブはダイエットして痩せろ!」

人間の場合も都市の場合も、肥満を解決するにはダイエット以外に方法はありません。

都市のダイエットとは?人口流入の制限が東京復活の処方箋

デブっちょの人間がダイエットする場合は、食事の分量や摂取カロリーを制限する食事制限が最も効果的です。

同様にデブっちょの都市がダイエットを行う場合に効果的なのは、その都市への人口の過剰な流入を制限することです。

東京への過剰な人口流入を強制的に制限することで、満員電車などの人口密集が生み出す問題を解消し、非効率と化している都市機能を正常化するのです。

都市人口のダイエットにより都市機能が本来あるべき状態まで効率化されることで、無駄と非効率にまみれて完全に停滞している東京経済は復活するはずです。

以上、「今後求められるのは効率的でコンパクトな都市。大規模で非効率な肥満体都市・東京は滅びる」の記事でした。

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